【ベトナム戦レビュー】日本代表 vs ベトナム 1対1 アジア最終予選最終戦

日本代表

W杯出場を決めた日本代表の、予選最終戦です。

皆さん、もやもやが残りませんでしたか?

圧勝を期待していた方も多かったと思います。

私は特に前半、ベトナムの方が良いサッカーをしていたのでムズムズしていました。

もっと攻撃的に!守備ももっと厳しく!(心の声です)

なぜ前半停滞したのか?森保監督は適切に対策を取ったのか?今のままでワールドカップは大丈夫なのか?

今日の試合を見た私の感想は、今のままの森保監督ではワールドカップは厳しい戦いになるというものです。

それらについて書きました。批判ではないです。日本サッカーがもっと強くなってほしいから書きました

(ちなみに、この文章、序盤は柴崎のことについて書き連ねています。目次から読み飛ばせるので、気になる方だけ読んでください)。


この試合、先発はオーストラリア戦から大幅に入れ替わりました。

W杯選出メンバーと柴崎について

※ここからしばらく試合とは関係のない話題となります。試合内容が気になる場合は読み飛ばしてください。

今日の試合では、上田、久保、三笘、旗手、このあたりの選手に注目しました。

W杯メンバーについては、これまでの予選の内容から、三笘、原口、中山、山根はメンバー当確だと予想します。

上田と久保はほぼ当確、旗手・谷口は当確に近い、柴崎は残念ながらメンバーに入れないというのが私の見解です。

柴崎の課題

柴崎を外した理由は、ボランチにも関わらず、危ない場面でリスクが管理できないことです。

味方ゴールに近いポジションで、ボールロストやパスミスなど、後ろの選手が最も避けなければならないプレーを犯してしまうことです。ボランチがボールを失うと、ゲームが壊れてしまいます

これは長らく日本代表が抱えていた問題点で、ヤット、中村憲剛なども同様の弱点を抱えていました。攻撃力と引き換えの弱点だったため、見過ごされていました。しかし、今の主力である遠藤、守田、田中はこの弱点がほとんどない上に攻撃力も兼ね備えた選手たちです。

攻撃力だけのボランチは、既に日本代表に席はいと思います

さらに言えば、柴崎についてはデュエルなどをいとわない強い守備ができません。

本来、それらをマスターして日本代表の柱になっているべき存在だったのですが。

鹿島へ入団し、小笠原が隣にいて、彼から世界基準の強くコンタクトしボールを奪う守備を学ばなければならなかったのですが、なぜか全く向上しませんでした。さらにスペインへ移籍しても、この部分は成長しませんでした。

Jリーグの問題点

この、危機管理ができないことと、デュエルでボールを奪えないこと、この2つの問題点が生まれる主な理由はJリーグにあります。

Jリーグには、油断をするとボールを刈り取られる緊張感がありません。敵選手のボールタッチが大きくなった瞬間を狙った、強く体をぶつけてボールを奪いに来る厳しい守備もありません

時代遅れのリトリート守備が横行しているからです。最近はプレス戦術を行うチームが増えてきて、改善の傾向が見られていますが、まだまだ全体的には世界との隔たりが大きいです。

Jリーグの戦いに慣れてしまうと、国際試合の激しさについていけなくなりがちです。

柴崎のW杯での経験は貴重ですが、年齢的にも彼に枠を用意する必要はないと思います。

セルティックで活躍をしている旗手に譲ったほうが将来的にも日本代表のためになると思います。

前半:ベトナムの組織力、不足した日本の運動量

両チームとも、W杯出場権に関係がない試合でした。しかし、ベトナムは全力でプレッシャーをかけ、攻撃でも選手が連動して動きしっかりとパスをつないできました。

対する日本は、大幅なメンバー変更により、前線から中盤での厳しい守備や、ビルドアップでの速いサポートが消えました。

日本の強味がなくなった前半、それを補う攻撃力があったかと言えば、それもなかったです。

攻撃面では、前線と最終ラインの距離が開き、つないで崩すことができませんでした。サイドでもサポートが少なく形が作れません。ボールを持たない選手がフリーランをしてボールを呼び込む動きがフィールド全体で不足していました。

悪い流れのままCKからベトナムに先制を許し、リードされ前半は終了です。

後半:選手交代後の躍動、ベトナムの粘り

後半、まず旗手に代えて伊東。さらに、柴崎・久保・原口に代えて、守田・田中・南野のレギュラー組を投入しました。システムも4-2-3-1へ変更です。

力量の低い相手チームに対して、得点を奪うために適切なメンバー、システムだと感じました。

中盤からの運動量、守備力が明らかに向上し、さらにベトナムの疲れも有り、試合は完全に日本が制圧します。

主将吉田の意地の得点

得点が奪えずもやもやが続く展開でしたが、パスカットから駆け上がった吉田が、ゴールを奪いました。主将の意地を感じるシュートでした。そのあとに訪れた、もう一つの超決定機を外してしまうところも吉田らしかったです。しかし、ああいう場面で決めるのは本来FWの仕事です。

決めきれなかった追加点

この得点のあとも、日本代表は圧倒的に攻め続けましたが、追加点は奪えませんでした。

ある程度力の差があったとしても、しっかりと守ってくる相手から得点するのは難しいものです。つい先日、イタリアが予選で敗れたように。

この試合の後半は、弱い相手に攻めあぐねるいつもの日本代表でした。

大きなサイドチェンジなど、攻撃に変化がほしかったです。

主なサブメンバーの良かったところと課題

上田

高さか強さ、あるいは動き出しで違いを作り出してほしかったですが、そこまではできませんでした。そうなると、私が期待する第一FWは古橋になります。

柴崎

良いパスは出せるが、運動量と守備力が低かったです。攻撃時のフリーランも遅く少ないため、攻撃の停滞の原因となりました。

久保

狭い局面でうまさを発揮しました。しかし、右サイドでの攻撃でドリブルシュートばかり狙うワンパターンさは変わらずです。また、ビルドアップへのサポートが無く、攻撃の停滞の原因となりました。伊東のように一人で崩す怖さもなく、才能の片鱗は見せましたがそれ以上のものは見せてくれませんでした。ただ、ゴール前に積極的に詰める動きは少し改善されたと思います。守備やフィジカルはまだまだです。

総合してみると、いつもの久保でした → 久保建英 マジョルカ vs レアル・マドリード

原口

原口は可もなく不可もなくといった印象です。

旗手

旗手はやや前がかりになりすぎた印象です。守備とビルドアップへの参加を増やしてほしかったです。

三笘

三笘は左サイドで驚異を与え続けました。守備への貢献が欲しかったです。

表面化した森保監督の指揮能力:チームとしての形がない

この試合の前半に見えた、攻撃的な布陣による、運動量と守備力の低下。そしてそれを補うほどには向上しない攻撃力。森保監督が最終予選の第3戦までに見せた、勝てない代表、勝てない戦い方でした。

前半の日本代表と、後半の日本代表、同じチームに感じたでしょうか?私の目には全く別のチームに映りました。

それは、前半と後半で統一されたチームとしての約束事が見えなかったからです。

日本の強さは選手個人の能力に頼り切ったもの

後半に見せた、前から守備をする、中盤で激しくボールを奪う、これはチームとしてのルールではなく、選手個人の選択だったようです。

日本の強さは、あくまで選手個人の強さによるものだったという結論に結局到達しそうです。

なぜチームとして前からの守備、中盤での激しいプレスを指示しなかったのでしょうか。

あるいは、久保にビルドアップへ参加させるなど、レギュラー組が果たしている役割を与えるだけでもチーム力は上がったはずです。

選手頼りからの脱却を

選手に任せて選手の自主性を育てることも大切なのですが、それだけでW杯で勝てるほど日本人選手は成熟していません。

もう一度、監督としてやるべきことを考えて欲しいです。今のままでは、サブの選手が出場するごとに、チームの組織力が落ちていく一方です。

今のやり方では、W杯の予選リーグを突破することすら厳しいと感じました。

協会の判断、日本代表の成長のために

報道によれば、最終予選の第一戦で敗れた際、森保監督は自らの力量不足を感じ辞任を申し出たようです。本来であれば協会はここで動くべきだったと思います。

ここで決断しなかったことにより、森保監督自身、代表選手、代表自体も厳しい戦いになり、代表の成長も遅れたと思います。さらに言えば、そもそも監督の選択が正しかったのか、最終予選よりもっと早く、監督を代えるべきタイミングがあったのではなかったかということも振り返る必要があると思います。

サッカー協会、森保監督、選手、代表チーム関係者全員のがんばりによって、W杯出場はなんとか勝ち取りました。それはありがたいことですし、皆さんの努力には大きな敬意を払います

しかし、その過程に改善すべき点があったのだとすれば、それは今後にいかさなければならないと思います。

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