強敵鹿島のホームへ乗り込んでのこの試合。名古屋の苦しい状況も踏まえると、苦戦必死という予想でした。唯一の希望は3-5-2で改善された守備組織でした。
スタメン、バランスが良かった3-5-2システムの採用
名古屋のスタメンは以下のとおりです。
見切れているサブは、阿部、吉田温紀、内田、柿谷、齋藤です。
広島戦でうまくはまった3バックです。スタメンについてはコロナの影響もあると思います。
相馬と金崎が組織的な守備ができるかどうかが重要に感じました。
鹿島のスタメンです。
連戦で疲労があれば名古屋にも勝機があるかもしれないと思いましたが、名古屋よりもローテーションできている印象です。
厳しい戦いになる予感しかありませんでした。
前半:危ないところもありながら、安定した3-5-2
試合序盤、名古屋の新システムは安定せず、鹿島に2回、かなり危ない場面を作られました。
中谷のうまい対応などで無事無失点で切り抜けました。ここで失点していれば、大敗していてもおかしくなかったです。
この時間帯、無失点で切り抜けましたが、センターバックの前のスペースが空くことが多く、かなり危ない状況だと感じました。左サイドも守備がゆるく、鹿島を止めきれていませんでした。
試合が進むに連れ、徐々に安定感が出てきましたが、センターバックの前のスペースが空き気味なところは気になりました。
レオシルバ、仙頭が並ぶとやや前がかりになりすぎかもしれません。金崎、マテウスも含め、中盤中央を閉じるように指示が必要だったと思います。
時間が立つに連れ守備は落ち着き、左サイドでは前からのプレスでボールを奪ういいシーンがありました。こういうときは相馬がいい動きを見せてくれます。直感的な動きは優れています。
また、仙頭、マテウス、森下らの効果的なプレーも目立ちました。

後半:ギリギリで守りきり、0対0で終了
71分、相馬がギリギリでピンチを防ぎました。こういうところも頼りになります。
この試合を通して、丸山のロングフィードは精度が高く、チャンスにつながりました。
藤井も前へ出てのインターセプト含め、安定して守りました。経験を積み、細かいところをレベルアップさせて代表を目指して欲しいです。今日はパススピードの遅さが気になりました。
レオシルバは今日もいい面と悪い面が両方出ました。
試合終了間際、鹿島チャンスもランゲラックがシュートをしっかりセーブして無失点に抑えます。
これまでの試合のように、サイドの守備が大きな弱点になることはなく、また選手間をポジショナルに崩されまくることもありませんでした。相手のミスやランゲラックのスーパーセーブに頼るしかない、崩壊した守備ではなかったです。
基本的に、攻撃は安定した守備の上にしか構築できないと思います。
交代選手を5人起用。決定打にはつながらず
この日も長谷川監督は交代カードを積極的に切りました。
74分、仙頭、金崎OUT→柿谷、齋藤IN
80分、相馬、森下OUT→吉田、内田IN
91分、マテウスOUT→阿部IN
個人的には稲垣のスタミナが切れかけていたので、代わりに吉田温紀を見てみたかったです。
後半は特に鹿島の守備がゆるくなったので、柿谷は攻撃の組み立てで良さを発揮しました。あの状態の鹿島から得点を奪えなかったことは攻撃面の課題だと感じます。
内田は初出場でしたが、連携で戸惑うことやミスもあり、かつミスの後の守備もゆるく、もっとファイトしてほしかったです。試合終盤で疲労もあったため、ボールを持ったときの名古屋の周りの選手のサポートの動きも少なく難しい面もあったと思います。
怖さを感じさせなかった鹿島、こちらも組織構築は道途中
また、鹿島についてですが、そこまで怖さを感じませんでした。トップの鈴木には怖さがありましたが、新監督を迎えた今期、全体の組織力という面ではこれからのチームという印象でした。マテウスを抑えきった関川はレベルが高かったです。
所感:3-5-2で安定した守備、次はプレッシングサッカーへ
3-5-2を採用することで、今シーズン常に弱点となっていた守備が改善されました。
開幕前から書いていますが、攻撃を改善する前に、まずは守備のレベルアップが必要だと思います。
誰もが長谷川監督に望んでいたであろうプレッシングサッカーの構築を
次のステップは、ボールを奪う守備、プレッシングサッカーへの移行です。
マンツーマン気味でいくのか、あるいはボールサイドに人を集めるのか、いずれにしてもボールを奪う守備の構築に進んでほしいです。
昨年まで指揮したFC東京はマンツーマン気味ですし、名古屋の選手もデュエルに強い選手が多いのでこちらの方が向いていると感じます。
最初はディフェンシブサードから。選手が連動して動き敵のパスコースを消しながら、最後にデュエルでボールを奪う守備。まずはこれを徹底的にマスターしてほしいです。
高い位置からプレスをかければそれが攻撃になる
ディフェンシブサードでのプレッシングが完成すれば、今度はプレッシャーをかける位置を前にずらせば、ボール奪取からの速攻が狙えます。
一から攻撃を構築するより圧倒的に簡単です。
サッカーがわかっている人で、流麗な攻撃サッカーを長谷川監督に求めている人は、ほとんどいないと思います。
高い位置からのプレスでボールを奪い、速攻で得点する。ここまで構築してくれれば、長谷川監督にバトンをつないだ目的は達成されると思います。
ただし、速攻はチームが組織的に連動して動く速攻が必要です。前線の選手の個人能力に頼りきった戦術的なレベルの低い速攻では意味がありません。
全選手が連動して動き、ボールを奪われた際のリスク管理も徹底されたレベルの高い速攻の構築が必要です。
遅攻の構築は一番最後でいい
そこまでできたら、最後に遅攻を構築すればいいと思います。
どれだけ失点しても、どれだけ負けても降格しないのであれば、攻撃だけを突き詰めてもいいと思います。ですが、現実の名古屋は降格争いに片足を突っ込んでいます。
昨年の名古屋が本当にレベルの高い守備ができていたのであれば、攻撃面の改善に重点を置いても良かったと思います。しかし、実際はそうではありません。
昨年の名古屋がやっていたのは時代遅れの古いゾーンディフェンスです。敵チームがレベルが低くて、しかもミスが多いから失点が少なかっただけです。そんな守備では今のサッカーで勝利は望めません。
まずは練習のレベルを上げることから
まずは、普段の練習のレベルを上げるところからお願いしたいです。
組織的に動き、敵のパスコースや動きを限定していく連動性。そしてインテンシティを高くし、デュエルでボールを奪い切ること。
プロらしい、見ていて感動できるようなレベルの高い守備を期待します。
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