【レビュー:勝利!】清水エスパルス vs 名古屋グランパス ルヴァン杯Bグループ第5節 0対1

グランパス

ルヴァン杯リーグ突破をかけた大一番です。

守備の崩壊をシステム変更によって回復したグランパス。ここからは、守備組織のレベルアップと、攻撃面でも組織力の向上が課題と感じていました。

課題について書いた記事です → 【レビュー】vs FC東京

そういえば清水エスパルスも長谷川監督の古巣ですね。

スタメン:ローテーションを意識した大胆なメンバー構成

名古屋グランパス:スタメン

見切れているサブは仙頭、甲田、石田、柿谷、相馬です。

負けられない試合で大胆な起用

システムはおそらく3-5-2です。

故障から復帰した河面とチアゴを3バックに起用。昇格組の吉田温紀と、控えの阿部をIHに起用。FWも控えの金崎・齋藤のツートップです。

絶対に勝利が必要な試合にもかかわらず、かなりチャレンジングな選手起用です。長谷川監督の若手を育てる意識・多くの選手を使う選手起用には驚きです。

気になるFW酒井の状態、そして、グエンの獲得報道

酒井はまだ復活できないようです。そして、ノルウェー代表歴のあるグエンの獲得が濃厚とのこと。

選手の獲得でチーム力を上げることも大切ですが、それ以上にハイレベルな組織力の構築が名古屋には必要です。組織力を向上できなければ、いつまで経っても本当に強いチームにはなれません。

清水エスパルス:スタメン

対する清水です。ローマ字表記ですね。

開幕から、主力のケガで苦戦が続いているようですが、この試合は現時点でほぼベストメンバーの布陣。

連戦もあり、ローテーションした名古屋と正反対の選手起用。名古屋にとっては厳しい戦いになりそうです。

吉田温紀がどこまでできるのか、復帰した河面のプレー、ローテーションメンバーでの組織力・戦い方と注目ポイントが多い試合です。

そして、なんとしても勝たなければいけない試合でもあります。

前半:名古屋が前からプレスをかけ、優勢に進めるが得点できず

試合前の予想と裏腹に、名古屋が前からのプレスで積極的に戦い、清水がやや抑え気味に戦います。

そのため、名古屋やや優勢で試合は進みます。

復帰戦の河面は正確なフィードでビルドアップに貢献し、吉田温紀も落ち着いたプレーを見せます。

チアゴは精度の高いフィードと前への厳しいチェックが目立ちました。

阿部、齋藤もいいチェックを見せますが、最後の局面では連携が合わないシーンが見られました。シュートも狙いますが、決められず。

名古屋の積極的なチェックの動きが目立ったので、チェックの動きがにぶい金崎と吉田温紀は悪目立ちしていました。吉田温紀はスタミナ面、守備戦術面、インテンシティ面をこれから向上して欲しいです。

両チームとも、いい場面を作りますが、得点は決まらず、0対0で折り返しです。

後半:戦い続けた名古屋の守備。PKの1点を守りきり見事勝利!

46分、中谷・吉田温紀OUT→藤井・仙頭IN。

後半、名古屋のスタミナが心配でしたが、交代選手含め最後まで落ちませんでした。

逆に清水は後半も厳しいプレスをかけられず、中盤の攻防で名古屋が耐えきった印象です。

後半投入された仙頭の守備のポジショニング、そしてビルドアップがかなり効果的でした。

63分、阿部・齋藤OUT→柿谷・甲田IN。

ロスタイム、金崎OUT→相馬IN。

甲田の守備のポジショニング、強度ともに心もとなかったでしたが、なんとか守り切りました。

最後に入った相馬の守備は素晴らしかったと思います。

甲田のドリブルからPK獲得!効果的だった森下のオーバーラップ。

そして、65分。甲田がドリブルで持ち込みスルーパス、森下が素晴らしいオーバーラップからクロス。相手DFのハンドを誘います。PKを金崎が決めて、名古屋先制です!

甲田のドリブル、森下のフリーランとそれぞれの良いところが出て、幸運なPKゲットからの得点です。森下は守備の1対1においても、なるべく後ろに下がらずにその場で対応する場面も増えてり、短期間での成長を感じます。

甲田・柿谷と攻撃的な選手が多かったので、残り時間の守備とスタミナが心配でしたが、しっかりと守り切りました。

所感:躍動した控え選手、中盤の守備強度で清水を上回る

多くの選手を入れ替え、連携面も心配でしたが、控え選手が精一杯戦ってくれました。

長谷川監督の調子いい選手を積極的に使う起用法がもたらした勝利だと思います。

選手層の面から見ても、河面の復帰と、吉田温紀がある程度通用することもわかり、非常に価値のある試合でした。

対する清水は湘南戦で見せたような厳しいプレスが見られず、惜敗です。

名古屋の両サイド奥を狙った攻撃を見せましたが、名古屋がなんとか守り切りました。

積極的な守備からの速攻。この方向性で問題ない

3-5-2を採用してから、ボロボロだった守備が修正されました。

そして、今日はさらに組織的に動いてボールを奪うプレーが増え印象です

東京戦では敵のパスをDFラインで回収するシーンが増えましたが、今日は中盤でボールを奪うシーンも多く感じました。

昨年までの引いて守るだけの消極的な守備から、いきなり攻撃的なチームを作るのは無理があります。

まずはボールを奪える守備から。この方向性で間違っていないと思います。

控え選手、若手を使った長谷川監督の選手起用が実る

長谷川監督はこの日も積極的な選手起用でした。

復帰戦の河面、ユース出身の吉田温紀、そして阿部・齋藤と、控え選手を積極的に使い、勝利という結果に結びつけました。

戦える選手が増え、競争力も上がる好循環になったと思います。

使われた選手も、攻撃では連携面でちぐはぐな面を見せるも、守備面では組織的にプレスをかけて終始中盤で劣勢になることなく試合を進めました。

引き続きボールを奪えるプレッシングサッカーのレベルアップを

最優先はボール奪取できるプレッシングサッカーの構築で問題ないと思います。

攻撃では、サポートの質・量・スピードの向上を最優先で取り組むことが大切だと思います。考えて走る、です。

また、引き続きクロスの場面で、出し手と受け手の意思疎通が良くなかったです。チームとして基本的に最優先の狙いをニアにするなど、優先順位を決めて普段の練習から落とし込みが必要だと思います。

連戦が終わったら、普段の練習から連動した動きのレベルを高めて、インテンシティを高めデュエルしてボールを奪うプレーを磨いてほしいです。

その他気になったところ

ランゲラック、吉田豊、稲垣藤井は守備面でしっかりと貢献。

齋藤は気の利いたプレー、守備面で良いところを見せましたが、ドリブルという武器を失ったので、それに変わる何かが必要です。

柿谷は攻撃面では効果的で、守備もがんばっていました。インテンシティをより高めて欲しいです。

金崎はPKをしっかり決めたことは素晴らしかったです。ポストプレーもがんばりましたが、潰されるシーンも多かったです。攻撃で圧倒的な違いを作れないのであれば、献身的な守備で貢献する道もあると思います。

徳島に勝利し、グループ突破を

控え選手中心で勝利したことは非常に価値のあることだと思います。

今の名古屋の選手層の厚さと若手の育成を考えると、控え選手を積極的に使えるカップ戦はどうしても必要だったからです。

徳島戦も、控え選手中心で戦ってしっかり勝ち切ることが重要です。

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