互いに新監督を迎え、開幕からやや苦戦を強いられている両チームの試合です。
お互いに、勝っておきたい試合。
ジュビロのパス攻撃対名古屋のプレスという構図になると予想しました。
試合前プレビューです → 【プレビュー】vs ジュビロ磐田
ひいき目に見た名古屋勝利とはなりませんでした。またこの写真を使うことになってしまいました。
スタメン:いつもどおり攻撃的な長谷川監督
名古屋は柿谷、相馬を先発させる、いつもどおりの攻撃的な布陣です。
私としてはよりプレスが得意なメンバーを先発とし、この二人は後半の勝負どころで起用したいと考えていました。
⚽️スターティング11⚽️
— 名古屋グランパス / Nagoya Grampus (@nge_official) April 28, 2022
🏆明治安田生命 #J1 第10節
🆚#ジュビロ磐田
🏟ヤマハスタジアム
🕖19:00 KICK OFF
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見切れているサブは、吉田、仙頭、内田、齋藤、金崎です。
長澤が入っていなかったんですね。。
一方のジュビロです。
⚽STARTING 11⚽️
— ジュビロ磐田 (@Jubiloiwata_YFC) April 28, 2022
🗓4/28(木)19:00#磐田名古屋
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中盤のプレス勝負でジュビロに勝ち、試合を優勢に進めたい試合です。
前半:効果的だった名古屋のプレス、磐田もパス攻撃を繰り出す
開始早々、名古屋が前から強力なプレスをかけ、磐田を圧倒します。
心配していた、柿谷、相馬もしっかり走り、前からプレッシャーを掛けて磐田を追い詰めました。
柿谷・相馬は時々守備がゆるくなることもありましたが、プレッシングサッカーが形になりつつあると感じました。
しかし、20分過ぎからは磐田もパスサッカーを展開して名古屋陣内に攻め入ります。
途中、マテウス・柿谷などが前に残りすぎてビルドアップが難航する場面もありましたが、守備がしっかりしており、一歩も譲りません。
きれいな流れから待望の先制点
そして、42分、森下のオーバーラップにレオシルバのスルーパスが通り、森下の折り返しをマテウスが正確に決めて先制点です。
この試合でも森下のオーバーラップが得点につながりました。森下は守備でも無駄に下がらない守り方を実戦できており、名古屋のキープレーヤーになりつつあります。少し気になるところは、守備位置がやや低い点です。もう少し高い位置で敵についてパスコースを消したほうがいいと感じる場面が多かったです。
前半、運動量を伴うプレス戦術で押し気味に戦っていたので、勝つためには先制点はどうしても必要でした。そんな中、狙い通りの先制です。
名古屋が勝利する条件はそろいつつあったと思いましたが。。
ただ、いつも高さで圧倒的優位に立っていた藤井などがヘディングで競り負けるシーンが目立ち、一抹の不安は感じました。今日のチアゴはDFラインに必要だったかもしれません。
後半:交代で狂った守備の歯車。あっという間に逆転を許す
後半開始後も名古屋のディフェンスは運動量を落とすことなく、しっかりと磐田の攻撃を防ぎました。
ただ、時間が立つにつれ徐々に運動量が減り、中盤のビルドアップへのサポート、前からのディフェンスが少しずつ減っていったと感じます。
52分に危険なシーンを迎えますが、ランゲラックのスーパーセーブで無失点を継続します。
60分、阿部OUT→仙頭IN
阿部はこの日も守備のチェックが鋭くて、運動量も多く攻守に貢献しました。
やや磐田に圧され気味でしたが、この時点で守備が崩れることなく、無失点で守りきって勝利してもおかしくない試合でした。
交代で崩れた守備組織、プレスがかからなくなり2失点へ
77分、レオシルバ・柿谷OUT→金崎・吉田IN
この交代が直接の敗因となったと感じます。
- 金崎の守備の運動量、チェックのスピード、組織的な動きすべてが不十分だった点
- 森下が1列上がり右IH、吉田が右ウイングバック、稲垣がアンカーへ入って守備が混乱した点
交代後、明らかにDFラインの前の守備網が軽くなった印象です。FWからのチェックがゆるくなり、MF陣はDFラインへ吸収されがちになりました。交代枠に長澤がほしいところでした。いや、そもそも酒井がいない時点で苦しい台所事情ではありました。
この2つに、疲労も重なり磐田に得点を許します。
1点目はCKから、大津にヘッドで得点を許します。金崎の前に入られ、ノーマークでシュートを許しました。仙頭がポストに張り付いていれば弾けたかもしれませんが。セットプレーについてはマンツーマンでつくべきでしょうか。
さらに、右サイドを上った森下が空けたスペースからフリーでクロスを上げられ、丸山がヘッドで競り負けポストプレーでつながれます。ボールを受けた大津への仙頭のチェックは弾かれ、丸山のスライディングは間に合わずシュートを打たれます。ランゲラックのニアを豪快に抜かれて2点目です。
名古屋全体の守備強度が下がってしまったことが原因でしたが、対処が取れたであろうことの中で最大の原因は金崎への指示と金崎のプレー判断です。
そもそも、金崎には長谷川監督から、この状況・時間帯であれば、もっと守備に走ってDFを助けるような指示が出ていないとおかしいです。得点を狙わせることも必要ですが、それはあくまでしっかり守ってからの話です。
先日の清水戦から、金崎は守備が苦手な柿谷よりも守備での運動量が少なかったです。チェックのスピードも遅く、これでは今の名古屋では試合で使えないと判断されてもおかしくないと思うのですが。。
チアゴを投入し最後の抵抗も、得点にはつながらず
85分、相馬・森下OUT→チアゴ・内田IN
リードを許し、チアゴ投入からのパワープレーです。
しかし、今日の試合の流れから判断すると、残りわずかな時間だったとしても、前からプレスをかけてショートカウンターを狙う方が良かったと思います。
結局パワープレーも実らず、敗戦となりました。
所感:強くなる過程で避けられない敗戦と、これからの課題
終盤までは間違っていなかった戦い方、方向性は問題ない
2回めの交代の前までは、今年最もレベルの高いサッカーを実戦していたと感じます。
各選手が連動し、プレスをかけてボールを奪えていました。また、ディフェンシブサードで無駄にズルズル下がる守備も少なかったと思います。
攻撃面も、高い位置からのプレスでボールを奪い、ショートカウンターを狙える状況は作れていました。高度なショートカウンターの構築はこれから取り組むことになるはずです。
方向性としては間違っていないので、改善するべきところを改善して次の試合に望めば問題ないと思います。
あの交代までの選手はおしなべていいプレーだったと思います。
終盤のスタミナ不足
前半から飛ばした名古屋は、交代も含めた後半のスタミナ管理は重要な課題でした。
組織的に高度な戦い方になるほど、スタミナ面の消耗も厳しくなります。マッシモ時代の引きこもって守っている戦い方より、運動量が増えるのは間違いないのですから。
スタミナを管理しながら戦う方法を習得する必要があります。個人・チーム共に戦術と戦略を向上させ、無駄な消耗も減らしていかないといけません。
新しく高度な戦術に取り組むためには、致し方ない部分です。むしろ開幕からこの問題にぶち当たって苦戦が続くというのが私の当初の予想でした。
勝っている試合の戦い方
ルヴァン杯の広島戦だったか?でも感じたのですが、長谷川監督の勝っている試合の戦い方は少し不安です。
失点しなければ勝利が転がり込むにもかかわらず、取れるかどうかわからない得点を目指し、無駄な失点を招いているように感じます。
追加点を取れればそれは確かに勝ちに近づきますが、今のチーム状況をみれば、得点をするより失点をなくす方が明らかに容易だと思います。
攻撃的に戦えば、失点はしないと考えているわけでもないはずなので、謎です。今日の金崎であれば、どう考えても齋藤のほうが効果的に守備で働いてくれたはずです。その上での攻撃への貢献であるべきです。2度めの交代は、試合残り10分足らずの場面でした。前半から飛ばして疲労も大きく守備が危ない状況であったのに、なぜ自ら失点の可能性を高めたのでしょうか。
セットプレー対策
これは、攻撃時も含めてです。セットプレーからの得点も少ないです。
ここまでセットプレーでの失点が続いているので、守備の際はマンツーマンも取り入れてみたいです。
特に敵にいいキッカーがいる場合、失点する確率がかなり高くなっていると感じます。
代表はセットプレーコーチを招集しています。名古屋も同様なコーチを配置し、セットプレーでの得点を増やし、失点を減らすことが、短期的には最も勝ち点を伸ばせる方法かもしれません。
敗戦という結果だけにとらわれず、ブレない方向性を持ってプレーを!
いろいろと書きましたが、今日のサッカーで見せた方向性は間違っていないと思います。
本来味わうべき産みの苦しみを、今日やっと味わったと感じています。少し遅いですが。
まだしばらくは、成長を感じながらも、耐えしのぐ戦いが続くと思います。
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