伊東純也、2アシスト ヘンク vs メヘレン

伊東純也

アジア最終予選で日本を救った男、伊東純也のベルギーでの試合です。2アシストを記録し、勝利に貢献しました。

この試合の前までの順位が、ヘンクが8位、メヘレンが7位と、ほぼ同じに位置していました。

そんな両チームですが、試合が始まってからの印象は、ヘンクについては個が光る選手がいて、個の力や2人くらいの連携で崩しにかかっていく印象でした。

一方、メヘレンはダイレクトパスを多用し、組織的に攻撃をつなげてきます(申し訳ございませんが、私としては、こちらのサッカーに魅力を感じてしまいました)。とはいえ、応援しているのはもちろんヘンクであります。

さて、この試合のヘンクの戦い方で、特に気になってしまったことが一つあります。前線からのプレスが、チームとして組織的に連動していないことです。前の3人くらいがプレスをかけるのですが、その後ろの選手たちが連動して動いていないため、相手選手がフリーでパスコースががら空きです。特に中盤の中央のスペースが無人地帯になっている場面が目立ちました。これでは、がんばってプレスをかけてもボールが取れないことの方が多いです。エネルギーの無駄遣いになりかねないので、早めに対応をしてもらいたいところです。

このような状況で、組織力にまさるメヘレン優勢で試合は進んでいましたが、センターFWオヌアチュの見事なポストプレーを起点に、ヘンクが前半4分に1点を先制しました。サッカーはわからないものです。そしてさらに、追い打ちをかけるように23分に、味方のパスミスからの速攻をカバーしようとしたメヘレンDFがファウルを犯し、レッドカードでまさかの一発退場。メヘレンとしては聞いてないよーな状況に陥りました。ヘンクとしたら超ラッキーです。

こうなっては、さすがに数で勝るヘンクの圧勝になるかと思われましたが・・・。

後半、まさかのメヘレンが優勢に試合を進める状況になりました。そしてCKから意地の同点ゴール。1人少なくても、組織的に戦えれば挽回も可能ということを証明してみせました。ヘンクの守備網がゆるい面が後押ししてはいましたが、メヘレンのダイレクトパスを多用し、複数の選手が連動する攻撃は見ていて楽しかったです。

そして、ここからは、1人多いだけに負けられないヘンクが怒涛の攻勢を開始し、ほぼメヘレン陣内で試合を進めますが、なかなか得点できません。そんなときに、フリーキックのこぼれ球を、伊東がクロス→ヘディングゴールへと結びつきました。2対1です。こういうときにきっちり仕事をしてくれる男、伊東純也、ナイスクロス!

そして、さらにその後、ペナルティエリア右サイドでボールをもった伊東が、相手をフェイントで交わし、ゴール前へ良いクロス、それをオヌアチュがヘッドで落としたところをボンゴンダがゴールして3対1。

これで既に勝負ありでしたが、更にダメ押しで、伊東が右サイドをスピードで抜け出してからのクロスでオヌアチュのゴールのアシストを決めて4対1。相手が1人減ったこともありましたが、無事ヘンクが勝利となりました。

チーム力としては、組織力の差もありメヘレンがやや上に見えましたが、前半早々の退場劇で、試合は決まってしまった印象です。とはいえ、勝ったゲンクも万全には見えず、守備だけでなく攻撃面でも、組織的にハマった崩しが少ない印象でした。ヘンクの試合を通しで見たのは2回めくらいなので、あまり詳しいところまでは判断できませんが、キラリと光る選手たちがまだうまく連動できていない印象でした。

さて、最後に伊東についてですが、今回もしっかり仕事をしてくれました。代表でも、必要なときに得点に絡んでくれるありがたい選手です。この試合でも、良いクロスや、面白いドリブルを見せてくれました。改善点というべきか、ヘンク全体についても書きましたが、プレスのときの連動性ですね、いつプレスをかけるか、どうプレスするかなどは直しておくとスタミナの消耗を避けることができると思います。攻撃面では、右サイドバックと連携してのサイド攻撃は結構スムーズでした。さらに、中へ入っての連携も磨いていくと相手にとってより怖い選手になりそうです。

この先しばらく、タイトな日程が続くようですが、疲労に負けずに引き続き試合を決定づける活躍を期待しています。

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