【京都サンガ戦:名古屋グランパス マッチレビュー】 1対1 Jリーグ第11節

グランパス

J2から昇格し、順調に勝ち点を重ねる京都との一戦。

試合内容も大切ですが、前節ジュビロ戦で敗れただけに、勝ち点も落としたくない試合でした。

スタメン

名古屋はほぼレギュラーの3-5-2です。

まずは中盤のプレスのところで負けないことが大切です。

京都はこちら。

何と言ってもウタカを抑えられるかどうかでしょうか。

名古屋から移籍した山崎も先発です。

総評

名古屋としてはある程度自分たちのサッカーができ、引き分けとなりました。高い位置からのプレスは効果的でした。一時的に中盤の守備組織が消滅する悪い時間帯もありましたが、なんとか耐え凌ぎました。奪ってからの速攻のレベルアップが必要ですが、まずは基本的なサポートの質・量・スピードの向上に取り組んでほしいです。

この日も名古屋は試合序盤に強いプレスをかけ、攻勢をかけます。この時間帯に得点を奪えると、勝ち点も増えてくるでしょうが、今はそこまで決めきる力はありません。

最初の攻勢はしのがれますが、京都のプレスも思ったほど強くなく、ほぼ互角の攻防です。名古屋は京都のプレスを避けるためにある程度中盤を省略した戦法でしょうか。

そして、36分にマテウスがFKを直接ゴールへ叩き込みます。すごいシュートでした。

いい流れでしたが、40分に京都のウタカに同点ゴールを許します。藤井がウタカについていけてれば、抑えられたかもしれません。とはいえ、そもそもは名古屋のビルドアップが京都のプレスに圧され、失点につながりました。

名古屋はマテウス、森下、相馬らが京都DFライン裏狙いです。

後半もほぼ互角の展開でしたが、運動量が落ちたのか、京都はやや勢いが落ちた印象です。

対する名古屋は終盤までしっかり守り、攻撃でも相手ゴールへ迫りますが、得点ならず。

名古屋としては悪くないドローだったと思います。ただ、終盤にチャンスは作っていたので、得点を決めて勝ちたい試合ではありました。

磐田戦も感じたのですが、相手チームのプレスの迫力が落ちている気がします。暑い夏仕様の、体力をセーブした戦いになりつつあるのでしょうか?そうなると、攻撃面で個の能力が高い選手が多いチームが有利になってくると予想されます。中途半端なプレスディフェンスほど、技術に優れた選手が生きる状況はありません。

良かったところ

1試合を通した守備組織の安定

失点はありましたが、試合を通して心配になるシーンは少なかったです。MFがDFラインに吸収された危険な状況は、1度ありましたが、ある程度守備組織が保たれていたと思います。

試合終盤、守備力が心配された金崎の投入とマテウスの2トップになりましたが、最低限の守備はこなしてくれました。酒井が左IHのような形で左サイド前でしっかり守り、大崩れはなかったです。

酒井の復帰

怪我?かと思われましたが、無事復帰ししっかりとプレーしてくれました。前からの守備でチームを引き締めてくれました。攻撃面でもポストプレーは効果的でした。

ダイレクトパスを多用したビルドアップ

京都のプレスがそこまで強くなかったですが、何度かダイレクトパスでうまくいなしてビルドアップできていました。風間監督時代の遺産でしょうか。ときどききれいなダイレクトパスが見られます。周囲の選手のサポートの動きの質・量・スピードを上げれば、強いプレスにも対抗できるはずです。

センターバックの攻撃参加

ボールを奪った中谷の敵ゴール前へのオーバーラップや、藤井がドリブルで前に持ち出すシーンも見られました。CBが3枚いるので、リスクは低い場面も多く、CBが上がると敵ディフェンスは混乱しがちなので効果的です。藤井には代表も目指してほしいので、ドリブル・パスなど攻撃面の技術もさらにレベルアップしたいです。

攻撃面:森下・柿谷・レオシルバ・仙頭&酒井・長澤

この日も森下は長い距離をスピードに乗って走り敵のディフェンスを崩し、ドリブルでもある程度敵をかわしてチャンスを演出できていました。守備もなるべく後ろに下がらずに対応できており、非常に効果的でした。

柿谷は密集した状況でもしっかりキープし、つなげるパスを選択できていました。

レオシルバはゲームメイクで冴えを見せました。まさに司令塔といった印象です。

また、仙頭と酒井は前線での連動した動きが今日も良かったです。長澤も長い距離を走ってゴール前に詰めました

改善したいところ

WBの守備位置

チームとしての決まりごとでしょうが、守備時はあからさまに5-3-2になるシーンが多かったです。

敵選手が前がかりになっている場合はそれでも問題ないですが、無駄に下がりすぎてDFラインの人数が余り、中盤でパスを回し放題にしてしまうと強いチームには崩されます。

特に名古屋は選手がDFラインに吸収されがちで、中盤の守備組織が消滅しがちなので、前でマークについてパスを出させない守り方も必要です。

ビルドアップでの危険なパス

ダイレクトパスで書いたことと矛盾するようですが、無理につなごうとしてボールを奪われることも多かった気がします。安全を確認できない場合は、相手DFライン裏、あるいは相手両サイド奥などあらかじめ決めた場所へクリアできる判断力が必要です。

FWの守備タスク、守備時の組織

あくまで攻撃的に戦いたい長谷川監督は、FWへの守備タスクをかなり軽減しているようです。

今日はある程度できていましたが、プレスをかけないときもパスコースを消す、ピンチのときは中盤の守備へ入るなど最低限の約束事は与えるべきです。

また、当然のように5バック、あるいは4バックのようになっているシーンも目立ちましたが、ポジショナルにつなげるチームに対しては引いて守るだけでは通用しません。

DFラインは敵FW+1枚程度にとどめ、中盤の守備組織を高める戦い方が必要です。

日本サッカーの悪い癖ですが、フォーメーションに囚われすぎる必要はないと思います。

これだけポジショナルプレーが叫ばれている状況です。常に敵選手のポジションを考慮し、守る側も柔軟にポジションを変えて対応していく守備が必要です。

試合に勝つために組織力を高めるための戦術の一つがフォーメーションです。フォーメーションを崩さないためだけに戦って、結果、負けました、では意味がありません。特にポジショナルプレーは敵フォーメーションの穴をついてきます。適切に守るには、相手の状況次第でフォーメーションにとらわれないでプレーした方が効果が高いことも多いです。

難しいプレーになりますが、組織力とともにより選手自身の状況判断能力、プレー判断力が問われるのが現代のサッカーだと思います。

マリノス戦へ向けて

現在のJリーグのチームは、資金力があり選手の個の力で優位性を取るチームと、資金力がないが組織力で優位に戦うチームに分かれている印象です。

資金力があっても神戸のようにチーム組織作りが失敗すると目も当てられない状況になりかねません。

マリノスは、川崎とともに選手の質と組織力の両面がうまくバランスが取れている印象です。

難しい戦いになるでしょうが、まずは中盤のプレスで後手をふまずに踏みとどまれば、いい試合になると思います。

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