総括:前半のリードでなんとか勝利。後半の戦略は正しかったのか?
まず、三重ですが、JFL所属とはいえ、良いサッカーをしていました。決して弱いチームではなかったです。
そして、名古屋は当然サブ中心のメンバー構成です。
それでも、藤井、丸山、野上のDFラインと、長澤や酒井の控えの一番手をそろえた編成です。
力の差を見せての勝利に期待が高まります。
前半は、思惑通りセットプレー含め3得点。
そのまま終了でいい試合でしたが、後半は見事にスキをつかれ2失点。
3点リードながら、追加点を取って試合を決めるという指示のもと、森下、和泉を投入したそうです。
長谷川監督らしいといえばらしいのですが。この、無駄でしかない攻撃的采配だけは、改善してほしいものです。
前半:セットプレー含め3得点。流れとしては文句なし
J1チーム相手に、モチベーションMAXの三重に対し、不慣れなメンバーながらある程度落ち着いた試合を展開。
早々に、セットプレーから野上が先制ゴール。
そして、35分にもセットプレーから藤井がゴール。
さらに、前半終了間際に、期待の貴田もゴールです。
明らかに格下相手の、こういう試合は、相手に付け入るスキを与えずに、勝ち切ることが大切です。
前半は名古屋の理想的な展開で終了しました。
後半:追加点を狙いレギュラー組を投入して2失点。采配に疑問が残る
本来であれば、後半は、失点を極力抑え、かつ選手の疲労も抑えた戦い方が求められました。
開始から、マテウスOUT → 稲垣IN。
これは間違っていません。守備を固めて失点しなければ勝利です。
そして、酒井が負傷のため、酒井OUT → レオナルドIN。ここも仕方がないです。
問題は、68分の交代です。
河面、長澤OUT → 森下、和泉IN。ここでの長谷川監督の意図。
「もう1点取ってゲームを決めてほしい」
この無意味な攻撃的意図は、疲労が高まっていくチームを空中分解させなかったでしょうか?
案の定というべきか、そのあと2失点。さらに、あわや追加点を奪われそうなシーンも多かったです。
さらに言えば、J1のチーム相手にどれだけ失点しても、落胆などせずに三重はひたすら攻めてくるはずです。そういう力関係も考慮してほしいところでした。
名古屋が追加点を奪って完勝する可能性も確かにありました。しかし、相手に付け入るスキを与えるリスクをあえて負う必要がどこにあったのか?
この試合展開ならば、守り切る戦い方も選択するべきではなかったでしょうか。
そして、無理に攻めれば当然選手の疲労はたまります。レギュラー組の疲労を重ねてまで、必要のない追加点を狙うべきだったのでしょうか。
勝利のみが必要だった試合です。
選手評:能力を存分に発揮した貴田、ボールロストを繰り返した吉田温紀
貴田:得点、ポスト、パス、前線からの質の高いチェイス、下がってのビルドアップと、抜群の活躍。レギュラーの3トップに割って入る可能性を感じさせた。
酒井:1アシストと、前線からの守備もある程度走った。しかし、ポストは不十分。後半途中、負傷で交代。一度しっかり体を休め、再度の調整に期待したい。スピード、運動量、アジリティが最重要。前線からの質の高い守備こそが、最大の強みであることを思い出してほしい。
マテウス:攻守に強さを発揮。格の違いを見せつけた唯一の選手だったかもしれない。
石田:貴田へのアシストなど、低くて速いクロスが良かった。上下動できる運動量とインテンシティを身につけ、WB争いに加わってほしい。
河面:こちらもセットプレーからアシスト。良いキックを見せた。石田と同じく、運動量とインテンシティの高い守備を磨き、WB争いに加わることに期待。
長澤:比較的プレッシャーの低い中で、良いプレーを見せた。高いプレッシャー下での状況判断が課題か。
吉田温紀:うまさは見せるが、状況判断が悪くボールロストが多発。自陣でボールロストするボランチは怖くて使えない。ハイプレッシャーの中で速い状況判断を下す訓練が必要。
野上:無難にプレー。
藤井:1対1で競り負けるシーンが何度か見られた。
丸山:パスは良かったが守備面がやや不安定だった。
武田:相手のシュートが良かったが、2失点と悔しい結果に。
稲垣:Jリーグ程のプレーは見られず。ある程度手を抜いたか。
レオナルド:うまさと強さはわかった。時折強烈なプレッシャーもかけた。悪くはないが、やはりチームカラーにはそぐわない。なぜ獲得したのか。
森下:攻撃に比重を置き、守備がおろそかになった印象。
和泉:無難にプレー。
甲田:短時間の出場で見せ場は作れず。
最重要課題の勝利は獲得。貴田が見せた光明。
とにかく勝利が必要な試合で勝ったことは重要です。チームの皆さん、お疲れ様でした。
そして、貴田が十分に戦える選手であることもわかりました。酒井の負傷もありますが、リーグ戦の出場も増えてくると思います。
WBの河面、石田もそれぞれ良さを出せていたと感じます。リーグ戦の強度に耐えられる体を作ってWBのレギュラー争いに参加してほしいところです。
吉田温紀については中盤底でのボールロストという、ボランチとしては致命的なプレーが目立ってしまいました。稲垣や米本程の運動量豊富な守備もないため、CBへのコンバートを本気で検討すべきかもしれません。
貴田ら控えでいいプレーを見せた選手もいましたが、Jリーグで戦うには神戸や鹿島レベルのプレッシャーの中でも戦える実力が必要です。
控え選手にはさらなる奮起に期待します。
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