昨年は、開幕試合がひどすぎて、3回にわたりブログを書きました。
今回も、書かざるを得ない、ということで書きます。
選手の入れ替わり、組織的連動性のレベルの低さ、球際の弱さ
流出した主軸選手。追い打ちをかける負傷離脱
監督就任当初から、方向性の見えないチーム作りが続いていましたが、今シーズンへ向けた選手の出入りに驚きました。主力の流出が多く、新しいチームを作る状況に近いと感じました。
藤井、森下の海外移籍という不運も重なりました。
その上で、システムまで変えたので、どこへ向かってチーム作りをしているのか、皆目見当がつきませんでした。
さらに悪いことに、チームの主力と目した選手の多くが負傷離脱。
グランパスのチーム作りが困難な状況であったことは、間違いありません。
長谷川政権3年目のシーズンですが、この2試合の状況は、新監督就任時のようにも感じるほど、これまでの継続性を感じない試合でした。
特にDFラインは主力3名の移籍や負傷者が出たこともあり、しばらくは連携や意思疎通を高める期間を取るべきではないかと感じます。
現実的な解決策の一つは、一度、可能な範囲で慣れ親しんだメンバーと戦い方に戻すことだと考えます。未だに弱点であり続ける、中盤底のスペースを埋めるためにも、一旦2ボランチでいいと考えます。
その中で新戦力との連携を徐々に高めていく。
本格的にアンカー1枚に変更するのは、少なくともDFラインの連携が構築されてからが現実的と感じます。新しい戦い方に関しても、重点的に取り組むのは、現時点では時期尚早だと感じました。
組織的連動性のレベルが低いグランパスでは、選手個々の意思疎通だけが高いレベルの連動性を生み出す手段です。非常に悲しいことですが。
組織的連動性のレベルの低さ、球際の弱さ
先ほど書いたばかりですが、町田と比較しても圧倒的に組織力(組織的連動性のレベル)で劣っていました。
町田や、青森山田のサッカーは、現在のサッカーシーンの一つの究極形だと感じます。
組織的に連動してボールを奪う。球際のフィジカルコンタクトに負けない。相手が余裕を持てないようにプレッシャーをかける。
これができるだけで負けにくいサッカーが完成しますし、カウンターをプラスすれば勝利も狙えます。そして、突出した選手が複数人必要な、お金のかかるサッカーでもありません。
レベルの差こそあれ、一定水準以上の、組織的連動性、プレッシャーの高さ、フィジカルコンタクトの強さは、現在のJリーグで戦うにおいては必須条件だと感じます。
そしてそれは、長谷川体制が3年続いても、未だにグランパスに不足している部分でもあります。残念なことです。
長谷川監督就任時のブログに書きましたが、私が最も(というか最低限これだけは)長谷川監督に期待したことでもあります。
何度も書いていますが、現代サッカーにおいては、レベルの高いミニゲームなどを通して身につけるべき「基本」であると感じます。
プレッシャーの強さ、早く質の高いフォロー・サポートの動き、フィジカルコンタクトの強さ、攻守の切り替えの早さ、これらをトレーニングで鍛えることは、最低限必要です。バチバチのフィジカルコンタクトで戦えない選手は、レベルの高いリーグでは通用しません。
次に問題になるのが、放り込みへの対応をどうするのかです。全体をコンパクトに保つことが大前提で、低い位置にライン設定しセカンドボールを拾う、あるいはDFラインも上げてオフサイドを利用しながらボールの出し手へプレッシャーをかける、この2パターンの習得が第一歩と感じます。
これができないうちに、攻撃や高度な戦術構築に移行しては強いチームにはなれないと考えます。
攻撃はどうするのか?当面はショートカウンター主体でいい
町田戦は、「ボールを持たされた」試合だったとも感じました。
名古屋のビルドアップに対して、町田がプレッシャーをかけることで、名古屋側がボールロストの危機感を感じる試合だった印象です。
11人が戦術意図をもって連動する町田に、突出した選手がそろったわけでもない名古屋では太刀打ちできませんでした。ビルドアップに難航するシーンが多かったです。
では、攻撃の解決策は。現時点ではショートカウンターしかないと感じます。
DFラインを上げてコンパクトさを保ちつつ、ボール奪取を狙うのが、長谷川監督にとっては最善の解決策ではないか。
理由は、組織的攻撃を構築する下地が、今のチームにはないと感じるからです。3年目ですが。
相手が放り込みを狙うときは、時には当然DFラインを下げて全体も下げ、守りの時間帯を耐え抜く必要もあります。
ハイレベルのプレッシャーに、ビルドアップが難航するのは避けられないことです。まずは普段の練習のレベルを上げて対抗してほしいですが、難しい課題です。おそらく、今シーズンだけでは到達しないと予想します。
であれば、構築する必要のないショートカウンターが最善策です。
ここまで書いて、気づきました。
書いている内容が、去年、一昨年とほとんど一緒になっている気がします。
チームとして、予想より進歩していない、というのが正直な実感です。
選手の流出がなぜここまで多いのか、フロントにはしっかり反省してほしいです。
ちなみに、ここからは完全な推測になりますが、フロントとしての最終目標は、ユースチームのように、複数人が相手ゴールへ向けてなだれ込む攻撃を目指しているように感じます。ユース出身選手を数多く獲得しているのは、それを狙ってのことではないかと感じます。
もしけが人がいなければ、どうなっていたのか?
一点だけ、可能性という意味で、もし開幕時にベストメンバーがそろっていたら?
という考えは浮かびます。
アンカー推橋、2トップがユンカーと山岸、ハチャンレや河面も開幕に間に合っていたとしたら?
今とは状況が変わっていたかもしれません。
推橋、山岸はまだ実際に長時間プレーを見ていないので、チームを変えるだけの力があるかどうかは、私には判断はできません。自分の目で見たプレーしか信じられませんので。
しかし、ここまでの試合で見た根本的なプレーの質、選手間の意思疎通や戦術の浸透度の程度などから、状況を一変させるほどの変化は望めないと感じます。
基本的に必要なものが、欠けているからです。
昨シーズン開幕時の問題点
ちなみに、昨年開幕後に書いたのは以下の3つです。
内容は基礎技術や戦術に関するものです。
- FWからDFまでの意思統一のなさ
- コンパクトさが徹底できていない
- 組織的連動性のない守備
- 守備時のプレッシャーの弱さ
- 5バックの不備
- MFの下がりすぎによる中盤守備の空洞化
- ビルドアップ時のサポート不足
プロチームか?と疑う内容だったため、書かずにはいられませんでした。
最大の問題点を一言で言うと、
Jリーグで戦うための、主に守備における標準的な組織力(戦術的な戦い方)のなさです。
プラス、
球際の強さや、プレッシャーなどと表現した、フィジカルコンタクトの強さ、厳しさの不足
攻撃面においては、
基礎的な組織的連動であるサポートの欠如
の3点です。
さらに、昨シーズン開幕時では、
正確でボールスピードの速いインサイドキックすら蹴れない
という、基礎技術的にも大きな問題を抱えた開幕戦でした。
昨シーズン途中までは、これらも解消に向かっていた印象です。しかし、いくつかの点では、途中から徐々にレベルが低下していると感じました。
方向性を間違えたのでしょう。
最後の1年で、基礎的な部分だけでも、積み上げてほしいと願います。
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