【名古屋グランパス:長谷川監督采配の謎】

グランパス

先日は、長谷川監督就任時のグランパスの状況などについて書きました。 

→ 【名古屋グランパス、開幕3連敗無得点】長谷川監督就任当時を振り返る

今回は、長谷川監督の采配で気になる点を書こうと思います。

築き上げた守備組織を自ら破壊して攻撃を構築する

最大の謎は、守備と攻撃の構築が乖離している点です。

昨年、開幕戦でのひどい試合内容から、アグレッシブな守備とカウンターである程度戦える状態へもっていきました。

ここまでは良かったと思います。

しかし、ある程度守れる、となったとたん、それまで積み上げた守備を崩して攻撃の構築に着手し始めます。

これでは、結局また守備の欠点が生まれるだけです。

昨年後半の散々な状況も、今期開幕からの3連敗も、理由なきことではありません。

選手個人の攻撃力だけを重視し過ぎる

攻撃を改善したいため、個人の攻撃力を必要以上に重要視します。

守備力を意識から排除しています。

2022シーズン、柿谷にこだわったのがいい例です。

また、このシーズンは、左SBを吉田豊にするか、相馬にするかの判断が必要でした。

長谷川監督は当然個人の攻撃力を重視して相馬を選びます。

しかし、圧倒的な守備力と、攻撃面でも速いサポート、タイミングのいいオーバーラップなど、組織的な攻撃面では吉田が上。総合的にみれば吉田豊が勝っていたのは明らかでした。

にもかかわらず、起用されたのは常に相馬でした。

ただ、相馬に関しては、育成を重視した可能性と、ある程度守備もこなす力がありました。

一方、柿谷はそのフィジカルコンタクトの弱さゆえ、守備面でチーム力を大きく下げました。それは攻撃面の貢献では補えないレベルでした。

攻撃ができれば守れなくてもいい、という、時代遅れの思考にとらわれています。

攻撃面と守備面のバランスの取れたチームを構築できない

守れなかったら守備重視の選手と戦い方。守れるようになってきたら、今度は守備を崩して攻撃の構築。そうすると、当然のごとくまた守備が崩れる。守れなくなってきたので、再び守備重視・・・。

長い時間をかけて、何も進歩せずに振り出しに戻ります。

この状況を延々と繰り返しているのが長谷川監督という印象です。

積みあがるのは、選手個々のレベルアップと選手間の意思疎通だけです。

チームとしての組織力は、一向に向上しません。

構築する攻撃も、組織的な連携をベースにするものではなく、個の能力に頼ったものです。なので、攻撃を作るのに特定の選手が必要になります。

その選手を組み込むことで、積み上げた守備組織がまた崩れます。

永遠に積みあがらない積み木のようです。

最適解はプレッシングからのショートカウンター

就任当初から何度も書いてきましたが、現在のサッカーシーンで、長谷川監督が取りうる最上の策は、プレッシングからのショートカウンターの一択だと感じます。

したがって、基本方針は、マンツーマン気味のプレスと、奪ってからのショートカウンターのレベルをひたすら上げることに集中すべきと考えます。

この戦い方はシンプルですが、現在のサッカーシーンでは、最強の戦術のうちの一つでもあります。

守備力を維持したまま、攻撃を積み上げる

いろいろ書きましたが、積極的なプレスからのショートカウンターのレベルを上げること。ここに注力してほしいです。守備面はロングボール対策、攻撃面はサポートの質を徹底的に上げることである程度戦えるはずです。また、インサイドキックの質にも徹底的にこだわってください。ヘタクソなインサイドキックはプロ失格です

プレッシングからのショートカウンターは、究極まで突き詰めれば、優勝できる戦術です。レベルを上げれば、1試合中に何度かは決定機も作れます。

実体のない、雲をつかむような理想だけの攻撃的なサッカーを目指す必要はないと考えます。

まずは守備のレベルを上げる。そしてその形は崩さずに、ビルドアップ面をレベルアップさせる。積み上げた守備力は崩さない。決まり事は維持する。守備面は誰が出ても一定以上のレベルを維持し続ける。

その上での攻撃構築でなければ、全く意味がありません。

良いところ:素質ある若手は積極的に起用する

最後に長谷川監督の良いと感じるところです。

素質があり、個の能力が高い選手は積極的に起用する印象です。

昨年で言えば、藤井や森下らはちょっとしたミスは我慢して優先して使い続けた印象です。

今年で言えば倍井でしょうか。

ただし、個の戦いで強みを発揮しないといけません。

逆説的に、組織的なプレーの中で生きる選手は、能力を発揮しきれず起用が減っていく印象です。

古い話になりますが、鳥栖から移籍した2022シーズンの、仙頭や酒井などです。

今の酒井は使えるレベルではなさそうですが。

酒井を再生させるには、トレーニングではWBにおいて激しく上下動させるべきです。FWとしてのトレーニングだけでは、使える選手にならないでしょう。今の彼のプレーで良いと感じるのは、今のところ相手ゴール前で外に流れるプレーだけです。

練習で、徹底的にスプリントを繰り返させるしか、再生の方法はないと感じます。

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