明日はルヴァンカップ、ぜひとも勝利して、タイトルへ近づいてほしいところです。
それはさておき、今日はふと思いついたことを書きます。
少し前は多くのチームが目指したポゼッションサッカー。
しかし、現在のサッカーシーンではポゼッションサッカーで、かつ安定的に勝利を収めているチームは少ないのが現実です。
その理由について書きます。
理由1:ハイレベルな選手を集める必要があること
まず、そもそも、ポゼッションサッカーを実行するためには、ボール扱い、パスなどに優れた選手をかき集めなければならないことが挙げられます。
安定的に勝利するには、所属するリーグでトップレベルの選手をそろえないと難しいでしょう。
ポゼッションで成功した代表的なチームといえば、バルセロナやスペイン代表ですが、いずれも、メッシやイニエスタなど、世界最高峰の選手がそろったチームでした。
また、日本においては黄金期の川崎フロンターレが該当しますが、このチームにも、三苫、守田、田中など、のちに日本代表の主力となるレベルのメンバーがそろっていました。
ハイレベルな選手を多く集める必要があることが、一つ目の難しさです。
理由2:フィジカル面・守備面が弱くなりがちであること
2つ目は、ボール扱いやパスなどの技術面を重視しすぎてチーム編成してしまうと、フィジカル面や守備面に問題をかかえることになりかねない点があると考えます。
これは、次に書く、ハイプレスとの相性にもかかわってくることです。
現代サッカーにおいては、フィジカル面の能力、アスリートとしての能力の重要性が高まっています。
技術のみの選手は通用しない場面が多くなってきています。
それにもかかわらず、ポゼッションというチームコンセプトを重視し、パスをつなぐことを重視しすぎた選手ばかりを集めたとします。
そうすると、予想以上にフィジカル面、守備面のレベルが低いチームが完成してしまいがちです。そして、ポゼッションを重視した練習が、その程度をさらに悪い方向へ推し進めてしまうでしょう。
1つ目に書いたように、チームの資金力が豊富にあり、強くて速くて上手い、3拍子そろった選手を全ポジションにそろえることができるのであれば、このような残念な状況は起きにくくはなります。
しかし、現在のJリーグで、それだけの選手を集められるチームはごくわずかです。
理由3:ハイプレスと相性が悪いこと
三つ目の理由は、現代サッカーの最強戦術の一つ、ハイプレスショートカウンターと非常に相性が悪いことです。
DFラインからのパスをつなぐビルドアップが攻撃のスタートとなりがちなポゼッションに対し、高い位置から、連動したプレッシャーを与える戦い方が非常に効果的だからです。
ポゼッション側は一つのミスも許されないのに対し、プレッシャーをかける側はボールを奪えば即ゴールチャンスとなりえます。ポゼッション側はリスクが高すぎますし、逆にプレッシャーをかける側はメリットが非常に大きいのです。
そのプレッシャーをかいくぐれるパス回しができるのか、体をぶつけられても負けない強さがあるのか、あるいは、例えば三苫のようにドリブルなどでプレッシャーをかわす能力があるのか。
それができなければ、即失点のピンチを迎えることになります。
攻撃の最初の段階から、非常に厳しい状況を自ら選択するのが、ポゼッションサッカーである、と言えなくもないと思います。
名古屋はハイプレスショートカウンターを基軸として、パス攻撃のレベルアップを
ポゼッションについては以上となります。
そして、3年前から書いてきましたが、名古屋については、ハイプレスショートカウンターを戦術の基礎とするのが現状は正解だと考えます。
その理由が、3年経った今でも、そのまま適用できてしまうことが残念です。
それは、組織力不足、これに尽きます。
3年前よりは、だいぶ改善はされました。しかし、それでもまだまだ足りません。
3年前は特に、攻守における組織的な連動性のレベルが低すぎたので、この基礎部分をまずは普通のチーム並みに向上させなければ、何も始められないような状況でした。かつ、フィジカルコンタクト面についても、完全に選手任せの印象でした。
しかし、長谷川監督はそれをおざなりにして攻撃的なサッカーを目指し、チームは迷走を続けました。なので私は、初年度途中からは監督交代を主張してきました。
はっきり言って無謀です。まずはせめて守備の組織力・連動性に集中して向上させるべきでした。その過程でフィジカルコンタクト面も向上させる。その段階を経て、やっと攻撃面に手をつけられる状況が整うだろうと考えました。
攻撃面に集中するまでに時間がかかりますが、そこへたどり着くまでの戦術としても、ハイプレス・ショートカウンターは非常に有効です。
守備面の改善に重点をおくことができるにもかかわらず、ショートカウンターによる得点増も狙えるからです。
そして守備力が向上すれば、最低限引き分けを重ねることができるので、ある程度の勝ち点も計算できるからです。
その段階を経て、守備に目途がたてば、ショートカウンターを題材として、攻撃面の組織力・連動性の向上に取り組むのがスムーズに進むと考えました。
最低限、守備を第一に考える方向性が必要
ポゼッションのことを書いてきましたが、特に今のサッカーは、守備力とフィジカル面の強さがないと勝ち続けることは難しいです。
最低限、それを認識でき、おろそかにしない方向性が、チームには求められます。
その上で、いかに攻撃を積み上げるのかが求めらえると考えます。それにはある程度の資金が当然必要にもなります。
ルヴァンカップとリーグ戦も試合が残ってはいますが、来シーズンの体制が果たしてどうなるのか。
フロントには賢明な判断を望みます。
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