25J14【清水エスパルス vs 名古屋グランパス】0対3、予期せぬ快勝

グランパス

総評:清水の守備の甘さが名古屋を生き返らせた

互いに中2日、好調の清水を迎え、苦戦が予想されましたが、終わってみれば、3点差の快勝。

清水の守備が甘く、名古屋の自由なパス交換を許し過ぎた、これが最大の理由だと感じます。

逆に名古屋はある程度高めの位置からマンツーマンでしっかりプレスをかけ、清水に自由を許さず。

この状況で、有利に戦った名古屋が、前半に稲垣のゴラッソ、そして後半早々に清水のミスを突いて追加点。

あせった清水が前からプレスをかけるもやはり甘く、逆に名古屋がパスで崩して決定的な3点目を決め、勝負は決着しました。

厳しい状況での上位勢との戦いで、思いもよらぬ快勝。長谷川監督の強運がもたらしたのでしょうか。

スタメン:高さのあるDFラインと、右WB内田、GKピサノ

連戦ということもあり、かなり替わりました。

まず、シュミットが急遽ケガで欠場とのことで、GKにピサノ。

DFは左から、佐藤、三國、原。佐藤の左はグランパスでは初めてではないでしょうか。

ボランチはいつもの稲垣、椎橋。

トップ下に和泉。WBは左に徳元、右に内田。

FWはマテウスと永井です。

名古屋の良かったところ、清水の良くなかったところ

ある程度統制の取れたマンツーマンハイプレス

名古屋は例のごとく、基本的にはマンツーマンハイプレスで戦いました。

しかし、前節までの無謀すぎる前からの追いかけはなくなり、高すぎないところから、ある程度狙いをもって連動したプレスが実行できている印象でした。

トップ下の和泉、右WBに内田と、フィジカルバトルも問題ない選手を配置したことで、一か所を崩されてプレスが決壊するというシーンもほとんどありませんでした。

序盤から終盤近くまで、プレスを回避されることは少なく、失点も防ぎました。

緩すぎた清水の守備。ゴール近くに迫っても厳しいチェックがない

逆に、清水は前線のプレスはほぼかけず。ワントップの選手が追いかけるも、全く意味のない無駄走りにしかなりません。

それ以上に、ゴールに近い位置に名古屋が迫っても、厳しいチェックはあまりありません。

名古屋だからある程度ボールを持たせても、シュートさせても大丈夫、という戦い方だったのでしょうか。

確かに、得点を決めたシーン以外はほぼ守り切られたのですが。

内田からのクロスと、稲垣のヘッドと、清水のミス

守備面の連携面が心配だった内田ですが、名古屋のプレスが機能し危ない場面は少なかったです。

逆に、清水の甘い守備を突き、攻撃で活躍。

右サイドを縦に走って、クロス。このボールを稲垣が難しい場所から、まさかのゴールネットに突き刺します。かなり難易度の高いシュートでした。

さらに、後半。

またも内田が右サイド、カピシャーバをドリブルで抜きながらクロス。

このボールの処理を清水DFがミスし、こぼれ球を和泉がゴール。

3点目は反撃をしようとあせった清水が中途半端なプレス。名古屋がなんとかプレス回避し、崩れ切った清水DFから椎橋がゴール。

この時も右サイドを走ったのは内田でした。

選手評:3点に絡んだ内田、中盤でつぶしまくったボランチ

永井:プレスの起点、ロングボールの受け手として攻守に走って貢献。

マテウス:ドリブルによるボールキープ、的確なパス、守備でもある程度組織的な動きでプレスをかける。

和泉:安定したプレーと、強度も伴ったプレス。高い位置での守備力は上がった。

内田:守備のポジショニングなどは不安を残すが、攻撃面では3得点に絡む。縦に走り、2得点につながったクロスが試合を決定づけた。清水のプレスが甘く、ドリブルも効果的だった。

徳元:適切にプレスに加わり、無難にプレー。

稲垣:試合を動かす先制のヘッドを決める。攻守に走り、特に中盤でのつぶしは効果的だった。清水のロングボールへのプレスバックもやり切る。

椎橋:相手ゴール前まで走り込み、3点目を決める。こちらも運動量多く、激しいコンタクトを伴う守備で何度もボールを刈り取る。終盤はスタミナ的に厳しかったがなんとか戦い抜く。ただ、危険なパスミスもあったので、注意したい。

原:攻守に状況判断のいいプレー。やはりWBよりも、DFの位置からの持ち上がりが効果的。安定感があった。

三國:全体の組織的なプレスが効果的だったため、大きなほころびやミスはなかった。ボールスピードが速いロングフィードは、非常に効果的なので、反復練習して精度を上げ、マスターしてほしい。フィジカル含め、DFとしての基礎的な部分をとにかく向上させたい。

佐藤:左は初だと思うが、終盤までは安定したプレーを見せた。左右、中央とこなせるのは心強い。

ピサノ:危ないパスミスが2度ほどあったが、それ以外は問題なし。ロングフィードもある程度距離が出るので、名古屋にとっては心強い。

山岸:状況を十分に把握し、余裕を持ったパスで3点目をアシスト。ポストプレーはつぶされることが多かったが、プレスもしっかりと走る。組織的なプレスをコントロールする起点となってほしい。

中山:左サイドを縦に走るプレーでチャンスを作った。守備面はやはり心もとないので改善したい。

森島:攻守に献身的なプレー。

浅野:終盤は守りに走る状況が多かったが、しっかりと役割を果たした。

清水:ゆるい守備と崩し切れない攻撃。ミスも絡んで失速

最大の敗因は守備のゆるさだったでしょうか。さしてレベルが高くない名古屋のパス攻撃を許す結果となりました。

また、稲垣のヘッドと2点目のミスなど、名古屋がラッキーなゴールをいい時間帯に決めるという不運も重なりました。

そして、清水の超決定機は決めきれず。

解説者も話していましたが、チームとしての崩しのイメージが見られず。乾だけが終始、名古屋にとって危険なポケットを狙い続けるも、それ以外は名古屋の守備に抑え込まれました。

2点目を取られてから、反撃に移るも、高い位置でのプレスが甘く逆に3点目を取られたことも痛恨でした。

DFにケガ人続出や、連戦の疲労なども影響があったでしょうか。

一旦は降格圏を脱出。いい流れを維持できるか?

名古屋がある程度組織的に戦い、対応を誤った清水に対してラッキーも味方してゴールを決めて勝った試合。

プレスがある程度統制が取れて、無茶な追いかけが減った点は非常に良かったです。

また、相手の守備が甘ければ、ある程度つなげるレベルにはパス攻撃が向上したことも確認できました。

DFラインにも、原、佐藤と安定したプレーができる二人を起用し、ゲームを落ち着けることもできました。

しかし、ここからの対戦相手が今日の清水のように甘い戦い方をしてくれるとは限りません。

中盤からハードにプレスをかけられたときに、判断を誤らず、危険な場合は適切にクリアできるかどうか、ここは最重要だと感じます。

次節の岡山戦、なんとか粘って、勝ち点1でもいいので奪いたいところです。

そのあとの京都・福岡・浦和との戦いが前半戦の山場となるでしょう。

横浜FCとマリノスは名古屋より試合数が少なく、今はあくまで暫定の順位でもあります。

確実な残留へ向けて、補強面、あるいはコーチングスタッフへのテコ入れに期待したいところです。

チームの皆さん、貴重な勝ち点3獲得、お疲れ様でした。

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