久保建英 マジョルカ vs レアル・マドリード 第28節

久保建英

レアルへの復帰が噂される、久保建英が所属するマジョルカが、レアルと戦う注目の一戦でした。

レアル自体あまり見ていなかったので、今のレアルがどのようなチームなのかも気になるところでした。

レアル・マドリード

そうそうたるメンバーがそろうレアルでしたが、ヴィニシウス、ベンゼマが特に目立ちました。

ヴィニシウスはドリブル、ベンゼマはフィジカルです。

ヴィニシウスの柔らかいボールタッチ、切れのある切り返しはなかなか「止められない」という印象を受けました

ベンゼマはあの巨体にしてあのスピード。そして技術もあるので、とにかくやっかいな選手です。

それ以外にも有名な選手が多かったですが、かつてのジダンらが所属した時代のときの「銀河系」感は感じられませんでした。時代の趨勢がプレミアリーグへ移ってしまったことを感じました。

久保のプレー

これまで、久保のプレーについてはたくさん書いてきました。

過去の記事 久保建英 セルタvsマジョルカ久保建英 マジョルカ vs ソシエダ 第21節久保建英 マジョルカ vs バレンシア久保建英 前半で交代 ベティス vs マジョルカ

課題

一番の課題はいつも同じです。

周囲の状況を把握し、最も適切な動き、プレーを選択できないこと

この一点に尽きます。

特に攻撃の場面で、自らがDF裏へ走り込むこと、ゴール前に走り込むプレーができないことです。

また、主に右サイドでボールを受ける際に、周囲の状況を考慮せず、自らドリブルするプレーばかりを選択してしまうことです。

このプレーで点を取り、チームが勝っているなら問題ないのですが、現状はリーグ戦では1得点のみ、チームも下位に沈む状況です。

この1得点もDFの裏抜けで獲った得点です。

右サイドでのドリブルシュートを何度も繰り返してきましたが、この形からの得点は今期ゼロです

攻撃時の状況判断が悪く、チームの攻撃を遅らせる選手になっています。

才能を活かしきれずに停滞している大きな原因だと思います。

左サイドでのプレー

この日、久保はいつもの右サイドではなく、左サイドのMFとして出場しました。

レアルの左サイドの攻撃力が高いため、守備の苦手な久保のサイドを左に変えたと思われます。

思惑通りというか、マジョルカの右サイドはヴィニシウスのドリブル対応で手一杯の状態になりました。久保を左サイドに移して正解だったと思います。

守備面

守備は苦手な久保ですが、最近は周囲の状況をしっかり把握し、適切なポジショニングを取るよう努力している姿は伝わってきます。

敵に寄せるスピードや、デュエルでの戦いはまだまだですが、こちらも多少改善されてきていると感じます。

とはいえ、他の選手と比べると、守備力がかなり低いことはまだまだ否めません。

攻撃面

問題の攻撃面ですが、いつもどおりといった印象でした。

中盤でボールを持てば、レアルがプレスをかけてこないため、ある程度しっかりドリブルやパスでボールを運べます。この日も中盤で、止められるときもファウルをもらって攻撃をつなげる場面も見られました。

ただ、若干気持ちが入りすぎたのか、いつもよりボールタッチは荒れていてロストも多かったと思います。

問題はアタッキングサードでの動きですが、新加入のマルキが入ったことにより、マルキの落としや競ったボールのこぼれを狙う意味でのゴール前への侵入は増えました。それと流れのなかでDFの裏へ走り込むしかない場面もあったので、その場合は裏を狙った動きもありました。

しかし、裏を狙うチャンスがあるとき、あるいは裏を狙うべきとき、ゴール前に走り込むべきときに、やはり後ろに下がってボールを要求するプレーをしていました。足元でボールをもらい、ドリブルシュートをどうしても狙いたいようです。

しかし、この動きをすると、攻撃を遅らせるだけで得点につながらないため、周りの選手がパスを出さないのです。

一部でチームメイトが久保にパスを出さないと言われています。その原因の大半は、久保がパスをもらえないプレー、得点につながらないプレーを選択しているからだと思います。

完敗、そして解説戸田さんの言葉

試合は0対3でレアルの勝利。久保はうまさは見せましたが、特別な活躍はできないまま、終わってしまいました。

来季レアルへ戻るのかどうか、久保の状態よりもレアルのチーム状況によるところが多いと思います。

どこでプレーするかも大切ですが、一番は今のアタッキングサードでの動きを改善してくれるチームへ移籍しないと、成長がさらに遅れると思います。

戸田さんのコメント

話は少し変わりますが、解説の戸田さんの試合中のコメントが、遠回しに久保や日本人選手への提言なのでは?と気になりました。

ヴィニシウスを絶賛していたのです。その内容が、「どんなに上手い選手でも、しっかりと走れるフィジカルがないと今は通用しない」という内容です。

レアルのカウンターの際に、ヴィニシウスが自陣サイド・バックの位置まで戻ってボールを奪ってから、敵ゴール前まで走りきったプレーを見たときのコメントです。

上手いだけで走れない、戦えないプレーヤーがまだまだ多い日本人選手への言葉に聞こえました。

以上です。今期中は久保の課題は持ち越されそうです。

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