25J12【鹿島アントラーズ vs 名古屋グランパス】1対0、地力の差を見せつけられ敗戦

グランパス

総括:名古屋に決定的なチャンスはほとんどなかった

試合を通してみると、前半は名古屋優勢、後半は鹿島が圧倒した印象です。

しかし、名古屋が優勢ではあった前半ですが、決定機の質はとても低かったと感じます。

名古屋にボールを持たせてもいいから、失点はしない、そういう戦い方を鹿島が取ったことが原因だったでしょう。

そして、鹿島が選手2名を代えた後半、FKから失点し、同点に追いつくこともなく試合は終了します。

前半から飛ばした名古屋こそ、後半早いタイミングで交代による運動量と強度の確保が必要だったはずですが。逆に後半に勝負をかけた鹿島の思惑通りに試合を支配されました。

ボールをつないでゴール近くに迫るも、ゴールから逆算した攻撃ではないので得点につながる可能性は低い。

試合内容は悪くなかったように見えるかもしれませんが、勝利への道のりはまだまだ遠いのが現状です。

スタメン:広島戦と同じメンバー。サブに森ではなく中山

勝った試合は動かない長谷川監督。変更はサブの森→中山のみ。

DF:野上、三國、河面

ボランチ:稲垣、椎橋

WBに和泉と徳元、トップが永井で、シャドーに森島とマテウスです。

前半は鹿島の低いプレスに余裕を持てたDF

鹿島の守備はワントップの田川が単独でプレッシャーをかけることが多く、名古屋DF陣は余裕をもってボールを回せました。

また、無理につながずにロングボール主体の攻撃とし、カウンターのリスクを回避することもできました。

現状の名古屋の戦い方としてはこれしかないと思います。

ただ、鹿島が選手を入れ替えた後半。チャブリッチと荒木の2枚で前からプレッシャーをかけられると、ビルドアップはかなり窮屈になった印象です。鹿島の全体のプレスの位置も高くなり、名古屋の攻撃は後手を踏むことになりました。

シュミット含めた3人のボール回しで余裕が持てない状況でした。高い位置を取らせていた野上を下がらせるなど、低い位置で数的有利を作った方が攻撃が安定したかもしれません。

サイドでパスを回すも、相手DFを崩し切ることはできず

鹿島があまりプレスをかけなかったので、中盤までは比較的スムーズにパスはつながりました。

しかし、最後の局面で相手DFを崩す攻撃には到達できず。

クロスボールを上げるも、ゴール前をしっかり固める屈強な鹿島守備に風穴を開けることはできませんでした。

高さでは分が悪いので、DFラインとGKの間を狙う、あるいは、ゴールライン付近までサイドを崩し切ってマイナスのクロスを上げる、などを狙う必要があったと感じます。

前半を優勢にしたハイプレスも、後半は機能しきれず

名古屋は前半からハイプレスで、試合の主導権をなんとか握りました。

しかし、鹿島が配置を変えた後半は、疲労もあり機能しきれず。

トップに位置どったチャブリッチに起点を作られ、荒木や交代で入った松村にドリブルで中盤を簡単に突破されるなど、徐々に劣勢になっていきました。

今のやり方を続けると、今後の対戦チームも、前半に名古屋を疲れさせ、後半に勝負をかける、というシンプルな対策だけで、有利になってしまうかもしれません。

選手評:全体的に厳しい内容。中山は左サイドで輝くのか?

永井:プレスの起点であり、ロングボールの受け手としても攻守に走る。決定機は難しいシチュエーションではあったが、ともかく枠に飛ばすことを第一に優先させたかった。

マテウス:ゴール近くに迫りはするが、鹿島DF陣の壁を崩し切ることはできず。鹿島の厳しい対応にゴールに近づくほど苦しんだ。

森島:こちらも下がったシーンやサイドではある程度うまさを見せたが、ゴールに近いところでは厳しく対応される。

和泉:WBでは低い位置でうまくボールを運ぶシーンが目立ったが、全体を通してパスの質が低くもったいないシーンが多かった。今期、ずっと書いているが、とにかくパスの質を上げる必要がある。徹底的に反復練習してほしい。もう一段階、選手としてのレベルが上がるはず。

徳元:チャブリッチに苦しみながらもなんとか対処。攻撃面ではやや消化不良だったか。

稲垣:いつものように攻守にハードワーク。しかし、今日はせっかく奪ったボールをロストしてしまうシーンもありもったいなかった。

椎橋:こちらもハードワークするも、チャブリッチとの戦いは厳しい場面もあった。また、背後の状況認識が甘いため、プレーの選択が限定されることが多いので改善したい。いい狙いのパスもあったが、質が伴わずミスとなることも目立った。

野上:ヘッドでのクリア、オーバーラップでの攻撃への関与と躍動したが、和泉に代わって原が入ってからは連携が難しい印象だった。チームとして、ある程度の型を決めないといつまでも同じ状況になるだろう。パスの精度が低いシーンが目立った。

三國:ハイプレスのおかげで判断を誤ることは減った。ただ、クリアの質が低いのは改善されない。パスについてはロングボールのスピードは向上している。クリア前の状況把握と、それができない場合はとにかくゴールから遠くへはじくことを徹底してほしい。

河面:後半、チャブリッチとの1対1は厳しかった。鹿島のプレッシャーがゆるかったこともあり、危険なパスは少なく、いいパスを何本か通す。より受け手のことを考えたパスを出せるようになりたい。

シュミット:全体的に安定感のあるプレー。

中山:左サイドで、何度か好プレーを見せるも、守備はやはり厳しいか。右にせよ、左にせよ、クロスの精度向上、中に走る選手に合わせられるようになることは必須。

原:右WBに入り、うまさは見せるも、やはり周囲との連携に問題を感じさせる。チームとしての決め事がなさすぎることが原因ではないか?縦に走るプレーは良い。

杉浦:せっかく懸命に走るも、試合に入れなかった。永井の代役という立ち位置だったのだろうか?杉浦の問題ではないが、良さを引き出す起用方法ではないだろう。

菊地:ボランチへ入るボールをケアする鹿島の守備に、ボールを持てるシーン自体が少なかった。

鹿島:おそらく想定通りの勝利。慌てるシーンはほとんどなかった

名古屋がプレスをかける前半はしっかり守り、名古屋の運動量が落ちる後半に個の力のある選手を投入して勝負をつける。

そんな狙い通りの試合だったような気がします。

前半、名古屋にボールを持たせるも、危険な決定機はほとんど作らせず、ゴール前を固く守る。

得点はセットプレーからの一点だけでしたが、終盤の鈴木のヘッドなど、決まっていてもおかしくないシュートもありました。

攻撃に集中しすぎて守備を崩すこともなく、強さを感じさせるチームでした。

再び降格圏に落ちる名古屋。ここからの連戦は運命の分かれ道か

広島に勝ったことで、何とか降格圏から逃れましたが、たった一試合で降格圏に逆戻りとなりました。

ここから、柏、清水、岡山、京都、福岡と、組織的に整理されたサッカーをするチームとの対戦が続きます。こういったチームの方が、名古屋は苦手ではないかと思います。

正直、かなり厳しい戦いになると想定しています。

全敗の可能性もありえると感じます。そうなると早々に降格がほぼほぼ決定しかねない状況になるかもしれません。

現状では、対戦相手が連戦の消耗で、調子を落としてくれることを祈るしかありません。わずかな希望ではありますが、選手層という面だけは、名古屋に分があるチームもあります。

次の柏戦で、リーグ戦の1/3が終了することになります。

その時に、まだ降格圏であれば、はっきり言って何らかの対策を取らないと取り返しがつかなくなると感じます。降格を回避できていた例年であれば、今の時期に、下位グループの中ではあっても降格圏からは脱していたはずです。今年のリーグの状況を見ると、降格する可能性は現実的に高いと感じます。

賢明な対応を望みます。

チームの皆さん、お疲れ様でした。

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