25J16【京都サンガ vs 名古屋グランパス】1対1、敵地で価値あるドロー

グランパス

総評:運にも味方され、価値のあるドロー

今年、非常に質の高いサッカーをしている京都とのアウェー戦。

しかし、京都は中三日と名古屋より1日試合間隔が短く、かつ、強力FWのエリアスと原が負傷で欠場。先発メンバーも控えが多く、名古屋にとって有利な状況がそろっていました。

それでも、やはり地力に勝る京都が先制しましたが。粘る名古屋も連続シュートで何とか追いつき、そのままドローに持ち込みました。

今の名古屋の状況から言えば、値千金の引き分けだったと感じます。

戦い方にもある程度、妥当性を感じられるようになってきました。

この調子で勝ち点を積み上げ、降格圏からの脱出をはかりたいです。

スタメン:左DFに河面、トップに山岸を起用

前節までのメンバーをベースに、一部変更です。

FWにマテウスと山岸。トップ下が和泉。

左WBが中山、右WBが内田。ボランチは椎橋、稲垣。

DFは左から、河面、三國、原。GKはピサノ。

状況判断やビルドアップは苦手気味な選手が大目かなと感じます。

戦略、戦術はある程度妥当だった。

京都のプレス回避のためのロングボール主体の攻撃

対京都で、最大限に注意しないといけない点は、ハイプレスでのボールロストからのショートカウンターでした。

今日は、基本的に山岸をターゲットとしたロングボール主体の攻撃で、この問題を解決しました。たとえ山岸がいなかったとしても、これが正解です。

今の名古屋のサッカーのレベルで、京都相手にビルドアップを挑むのは危険すぎます。

しかし、終盤、攻めるためか、GKなどでビルドアップを試みたため、危険なシーンが増えたのはいただけません。案の定、失点にもつながっています。

相手と状況を見た、戦い方を選択できるようにならなければなりません。

無理なハイプレスはせず、基本はミドルゾーンからのプレッシャー

前半で息切れする無理なハイプレスがなくなったことも高評価です。というか、そもそもそれが当たり前なのですが。Jリーグ創世記に、ゾーンプレスが同じ課題で崩壊しています。

FWが守備組織に参加する、中盤で厳しくプレッシャーをかけてボールを奪いに行く守備が、ある程度形になっていました。

本来ならば、1年目でやらないといけない部分です。相手の攻撃方向を限定していき、追い込んでボールを奪い取る、そういったレベルの高い守備組織を作ることが監督の最初の仕事です。

長谷部監督も、リカルド・ロドリゲスも、たった数か月で実践しています。

長谷川監督は4年目ですが、まだそのレベルに到達できていません。最重要課題です。

ちなみに、攻撃である程度いいプレーを見せる中山ですが、組織的な守備が苦手なため、起用すると守備組織のレベルが下がってしまいます。現段階では、1点には貢献できるかもしれないが、2失点を招いてしまいかねない選手、だと感じます。過大評価は危険です。

選手評:全体的には高評価。ハイレベルな相手には状況判断力が求められる

山岸:ロングボールのターゲットとして、攻撃の起点となる。ただ、京都の寄せにあせったか、パスミスも多かった。シュートチャンスをものにしたかった。

マテウス:ドリブル、パス、FKなど、個人技で攻撃をけん引。もったいないパスミスも健在。守備もある程度組織的に実行。

和泉:安定したプレーを見せるも、時折ある状況判断が不足したロストがもったいなかった。京都のような相手には特に早い判断を意識したい。

中山:高い位置での1対1でチャンスを作る。左からはいいボールが多いが、右からのクロスは中の状況が見えていないため決定機につながらない。囲まれて何もできなくなるシーンも目立った。守備でのフィジカル勝負はこなすも、連携されると弱さが目立つ。危険なパスミスは無くさなければならない。やはり全体的に状況判断能力が不足している感はいなめない。守備時の敵との距離も遠く、相手を自由にしすぎている。

内田:攻撃でときおりいいプレーも見せるも、状況判断の甘さがみられた。京都守備陣に囲まれ、ロストするシーンも目出つ。守備では前でつぶす守備、1対1では相手に食らいつくも、相手WBに簡単にクロスを上げさせ過ぎたか。

稲垣:同点に追いつくシュートを決める。いつものようにハードワークでも攻守に貢献。タフネスさは驚異的だった。

椎橋:守備でハードワークを見せるも、攻撃では京都のプレスを前に思うようなプレーができず。何度かシュートチャンスに顔を出したが、シュートは阻まれた。

原:攻守に状況判断の良いプレーを見せるも、今日はややパスミスが目立ちもったいなかった。

三國:正面での1対1の高さ、強さは問題なかったが、クリアが相手選手へのパスになるクセは早急に改善したい。低い位置でのパスミスもDFとしてはやってはいけない。

河面:同点弾の起点となった。また、セットプレーのチャンスに飛び込む。低い位置でのパスはより安全性を意識したものにしたい。

ピサノ:全体的に安定したプレー。ただ、時にフィードがずれてピンチを招くシーンもあったので、キックの精度はさらに向上させたい。また、京都のプレス相手にDFとボールを回すことは危険性が高かったので、最初からロングボールを選択した方が良かった。

浅野:状況を把握した走りで状況を打開。同点弾にもしっかり絡んだ。守備でも懸命に走りマーカーへのパスを許さなかった。

徳元:左サイド、縦に走って精度の高いクロスを放つ。安定したプレー。難しい時はクリアでいい。

永井:スピードで攻守に貢献。DFライン裏で受けてからのクロスで同点弾へ導く。ビルドアップでは丁寧なパスを意識できていた印象。

森島:ボランチに入り、左サイド、低い位置からゲームメイク。疲労の見える京都相手だったため、フィジカル面の弱さは目立たなかった。

菊地:状況判断のいいプレー、同点にも絡む。総合的な安定感でいえばやはり中山より上ではないか。

京都:けが人、日程に勝てず惜しくもドロー

ケガにより強力FW不在、日程も厳しく、控え選手が多いスタメン。

それでも質の高いサッカーを見せてくれました。パスの質、サポートの質は名古屋とは段違いでした。

ただ、最も良かった時に比べると差があったことはいなめません。

とはいえ、先制点を取り、勝利してもおかしくない試合内容でした。優勝を目指していくには、こういった試合を守り抜く、という戦略的な戦い方も今後必要になりそうです。

優勝争いにどこまで絡んでいけるか、興味深いです。

最低限必要なサッカーの質と勝ち点の獲得には成功

残留へ向けて、最低限必要なサッカーの質と、貴重な勝ち点1は獲得しました。

とはいえ、他チームもまだまだ粘っている状況なので、次節の福岡戦。

福岡が明らかに状態を崩しているので、最低でも引き分け、できればなんとか勝利をもぎ取りたい試合です。

横浜FC戦を見る限りは、攻撃に比重を置きすぎて、やや守備が甘くなっていた印象です。

とにかくまずは固く守り、その上で相手のスキをつければ、勝利も見えてくるはずです。

ユンカーも練習試合に復帰したようなので、誰を起用するか、難しくもなりますが、まずは守備を第一に意識したメンバーで戦うことを忘れないでほしいです。

チームの皆さん、お疲れ様でした。

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