25J17【アビスパ福岡 vs 名古屋グランパス】1対1、惜しくも逃した勝ち点3

グランパス

総評:状態の良くない福岡にリードするも、最後に追いつかれる

数試合、勝ちがない福岡との試合。

選手の負傷離脱の影響か、最近の福岡は守備もやや不安定で、攻撃力も高くないため、うまく戦えれば勝利も狙える試合でした。

前半を互いに無得点で進め、後半。

中山から原へつなぎ、中山が縦にフリーランし、原がスルーパス。ボールを受けた中山のクロスを徳元がゴール!

しかし、このまま勝利かと誰もが思った試合終了間際。三國のクリアミスを福岡選手が拾い、まさかの同点ゴールを決められてしまいます。

残留に向け、勝ち点3が欲しかった試合状況でしたが、結果は引き分けで勝ち点1。

近年まれにみる厳しい残留争いに巻き込まれていますが、17節時点で、未だ降格圏の18位です。

スタメン:右WBに中山、左DFに佐藤を起用

ここ数試合の定番になりつつあるメンバー構成。

流動的だった右WBには中山、左WBに徳元を配置。また、左DFには佐藤を起用です。

ある程度安定した戦い方。とにかく守備が第一

ここ数試合は、ミドルゾーンから組織的にプレッシャーをかける形が成果を出しつつある印象です。

気温も上がるなかで、これまでの根性だけの、組織的な連動性の少ないハイプレスから脱却できたことは非常にいいことです。

ただ、まだまだ引いた際の守備組織は甘いままです。ここのレベルを上げることが最重要課題だと感じます。どのタイミングでボールへプレッシャーをかけるのか、この部分が選手任せで、選手によってはプレッシャーをかけてボールを奪いにいかないシーンがまだまだ見られます。

本来であれば、就任初年度に、一番最初に改善するべき部分です。マッシモ終盤、既に守備はJ1を戦い抜けないくらいにレベルが低い状態だったのですから。

ここまできたら、4年経っても改善されないのに、監督を任せ続けるフロントの責任です。

ロングボールを主体とした攻撃でリスクを回避すべき

前線からのプレスがうまい福岡相手だったので、ロングボールを主体とした攻撃は正解でした。

無駄に後ろでつないでロストして失点、というバカみたいなことだけは避けなければ勝てません。

ただ、途中からは低い位置からビルドアップを試み、想定どおり福岡のプレスにボールロストするシーンが目立ちました。ピンチにもつながり、危険な戦い方でした。

現段階の名古屋は、ビルドアップのレベルアップのために試合で思い切って実践する、そのレベルにまだ達していないと私は感じます。

パス、トラップ、フリーランやサポートの動き、状況判断、相手を外す動き、諸々のレベルを練習で向上させることが、先決です。

指示だけ出せば、いきなりビルドアップができるチームでないことは、監督が一番わかっているはずですが。

土壇場で追いつかれてドロー

先制点を奪い、固く守りきれば勝利でしたが、ロスタイムで失点を許してドロー。非常にもったいない結果となりました。

交代選手への指示、交代選手を含めた守備組織の準備はできていたのでしょうか?

明らかにミドルゾーンの守備力が落ちていたと感じます。FWの守備も組織的な動きが足りず、単発で高い位置からのプレスをかけるシーンが目立ちました。

また、先発で出続けているボランチ二人、やはり片方は加藤を、せめて途中出場からでも使い中盤の守備強度を上げるべきだと感じます。

選手評:ところどころ見られる危険なミスを減らし、正確にクリアを

山岸:福岡の守備にポストは苦戦するも、状況判断のいいプレーを見せる。得点につながる決定的なプレーが求められる。

マテウス:福岡の厳しい守備にロストも目立った。クロスやシュートなどの狙い所は鋭く、惜しいシーンを作った。守備でもスピードと強度を持って貢献も、やや一人前から行き過ぎるシーンも。ここはチームとして組織的に動けるよう指示が必要。

和泉:裏抜けやシュートを狙うも決めきれず。状況判断は早くなったので、やはり次の段階として、パスとシュートのレベルを上げたい。反復練習あるのみ。前線の守備でハードワークで貢献。

中山:先制点につながる縦抜けとクロス。縦へのフリーランは効果的だった。クロスも基本通り、GKとDFの間を通す。走って蹴る場合は、クロスの質が低下するので、ここだけを狙った方がいいかもしれない。1対1ではある程度通用するも、囲まれると非常に弱い。レギュラーとして使うならば、守備面を向上したい。

徳元:的確にプレーし、クロスに走りこんで1得点。左サイドは安定した。攻撃が膠着した場合は、縦へのフリーランをもう少し増やしてほしいか。

稲垣:ハードなプレーで中盤でボールを摘み取った。ロングフィード、ゴール前に走りこむプレーなど、攻撃でも効いていた。

椎橋:高い位置から、中盤の底まで献身的なプレー。簡単な状況でのパスミスは無くさないといけない。

原:縦へのフィードが効果的だった。守備もある程度安定。クリアが高く浮くだけのシーンが何度かあったので蹴り方を矯正しておきたい。DFラインでのロストだけは無くしたい。

三國:やはり、クリアのレベルの低さが失点につながった。相手にボールをプレゼントするケースが多すぎる。状況の把握、判断、プレーの選択、パスの質など、DFとして必要な基本的な部分を向上させる必要がある。高さ以外の1対1でもやや劣勢だった。

佐藤:スピードのある紺野に対してもうまく対応した。ピンチもギリギリで防ぐ。攻守に安定感がある。

ピサノ:全体的に安定感のあるプレー。最後の失点を防げていれば、ヒーローだった。ただ、無理につなごうとしてパスミスになることは絶対に無くさなければならない。

永井:献身的に走るも、まだコンディション的に厳しいか?

浅野:高い位置からのプレス、攻撃でも走力で貢献するも、低い位置での無理なドリブルでのロストは無くさなければならない。

森島:ゲームを作れるプレー。もっと使われていい。ただ、この試合状況では守備に注力してほしかった。

福岡:けが人続出のなか、ギリギリで追いつく

主力に負傷者が続出し、6試合勝ちがない状況。

ある程度守備を固く、攻撃もそれなりに形を作りましたが、最後の決定的な仕事ができず。

スキを突かれて先制を許すも、パワープレーに移行し、最後の最後に相手のミスを突いて同点に追いつきました。

負傷者が復帰するまでは、耐えしのぐ戦いが続くでしょうか。

17節時点で降格圏。未だにピンチは変わらず。

難敵ぞろいの連戦でしたが、ここ4試合は1勝3分けと、悪くはない成績でした。

しかし、問題はそれでも未だ降格圏内の18位だということです。

救いは名古屋より上に勝ち点3差の中に3チーム、さらに3差に6チームと、勝ち点差が想定以上につまっていることです。

次節の浦和は中2日、日程的には名古屋が圧倒的に有利です。

チーム力としては浦和が上だとは感じますが、チャンスはあるはずです。

そのあとは、19位新潟との、絶対に負けられない戦いが待っています。

この試合がちょうど前半戦最後の試合。

6試合勝ちなしで始まった今シーズン、前半戦残り2試合まで来た段階で、未だ降格圏のままでした。

どこに問題があったのか、フロントには精査をお願いしたいです。そして、確実に残留するための手立てにも期待しています。コーチングスタッフのテコ入れか、強力補強か。いずれかは必要だと感じます。

チームの皆さん、お疲れ様でした。

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