【浦和レッズ vs 名古屋グランパス】2対1、地力に勝る浦和の勝利。

グランパス

疲労の残る浦和に対し、名古屋はパス攻撃で主導権を握りましたが。

ミスから失点し、流れを失いました。

パス攻撃を志向しているのはわかりますが、最も大切な方向性が間違っていたと感じます。

ここ数試合は、幸運が味方し勝ち点を重ねられましたが、ここからが本当の勝負となりそうです。

守備をおろそかにして、勝てない試合が続く昨年の二の舞だけは避けなければなりません。

厳しい結果となりましたが、チームの皆さん、お疲れさまでした。

パス攻撃を目指すも、パスにとらわれる悪循環。最重要は状況判断

疲労からか、浦和のプレッシャーはやや緩かったです。そのため、グランパスがパス攻撃で主導権を握りました。

守備でも、前からマンツーマン気味にプレッシャーをかけ浦和を押し込みます。試合開始直後からギアを上げたので、とにかく先取点を取ることが勝利の第一条件でした。しかし、得点は奪えず。

逆に、前半途中、浦和がやや前がかりにプレッシャーをかけます。そこで名古屋は無理につなごうとして。無理なパスが続き、稲垣がミス。最終的に浦和に得点を奪われます。

パスでつなぐ意識を持ち過ぎると、低い位置、危険なポジションで無理にボールをつなぐプレーが増えてしまいます。

さらに言うと、プレッシャーをかけられた状態で、低い位置からパスをつないで相手ゴール前までたどり着くのか、という課題も生まれます。

勝つためには、最優先すべきは失点しないことです。そのために守れる選手でチームを構築することです。当然、失点をしないため、危険なプレーは排除しないといけません。

その上での攻撃であり、優先度は縦に速いプレー、その次が、パス攻撃による遅行です。

勝つための優先順位がぶれ過ぎたことが失点の原因だと感じます。

流れを失った後の追加点。倍井・和泉の守備の意識の低さが招いた失点

浦和の先制点により、明らかに流れは変わりました。

およそ五分の展開。名古屋は攻撃を仕掛けますが、ゴール前中央を固める浦和を崩しきれません。

後半も同様の流れで試合は展開します。

同点に追いつきたいところでしたが、追加点を奪われます。

和泉が高い位置から戻らず、がら空きになった左サイド。河面と三國がマンツーマンで相手選手にマークにつき、名古屋中盤の3人も相手選手につくと、ぽっかりと浦和フリーの選手が生まれます。

そこにパスを通され、前田へパスをつながれ、慌ててカバーに入った稲垣がPKを献上してしまいました。そして試合を決める2点目を決められました。

相手ゴールキックに対する守備の意識の甘さ。明らかに油断が産んだ失点

多くのエラーが積み重なった失点だと感じました。

・和泉が下がってフリーなエリアをケアしなかった。

・倍井が油断してプレッシャーをかけなかった。

・中山と野上のポジションが中途半端で稲垣がフリーなエリアをケアできなかった。

最終的に稲垣がPKを与えましたが、上記3点の不用意な油断、判断ミスが招いた失点だったと感じます。

ロスタイムに1点を返すも、時すでに遅し。

2失点後、パトリック、椎橋、内田、さらに榊原も投入し、反撃を試みますが、奪えたのはロスタイムのCKからの1点のみ。

攻撃重視の長谷川監督としては、やりたいサッカーがある程度できていたと感じたのでしょう。

しかし、私から見れば、最も大切な守備が崩れた試合でした。

パス攻撃は私も好きなプレーですが、大前提となる守備を崩しては勝利は遠のくだけです。

選手評:攻撃のアクセントとなった倍井、チアゴに圧された三國

永井:最後まで懸命にプレーするも得点に絡めず。シュートを選択せず、パスを選ぶことが多かったのは、いつもと違い、相手DFがしっかりそろっている状況が多かったからであろう。

森島:適切にプレーしたが、しっかりと引いて守る守備相手に、試合を決定づけるようなプレーは少なかったか。相手ゴールへ迫った場面でのパスの精度こそ、とにかく注意してほしい。

倍井:得意のドリブルで違いを作り、チャンスにも絡んだが、得点には至らず。右足のキックはとにかく精度を向上させたい。また、2失点目はプレッシャーをかけるべきシーンだった。守備時の状況判断は向上させたい。

米本:パスコースを切りながらのプレッシャーと、今日は特にサイドチェンジが効果的だった。米本が交代で抜けると、やはりゲームメイク力の低下を感じた。ただし、危険な状況、低い位置での無理につなぐプレーだけは無くさなければならない。絶対につなげると判断できた場合以外は、クリアでいい。

稲垣:2失点に絡んでしまったが、稲垣のミスと言うよりは、どちらかというとチーム全体の組織的なミスの犠牲者だった。攻守にハードワークするも、勝利には結びつかず。ついていない1日だった。

和泉:こちらも攻守にハードワークし、1点を返す。しかし、2失点目の場面では戻ってスペースを埋めるべきだった。あるいは浮いていた浦和の選手を捕まえるべき。とにかく攻守における状況判断のレベルを上げたい。

中山:裏を狙うフリーラン、ドリブルは悪くなかった。しかし、その後のパスやシュートと、プレーイメージが不十分で、独りよがりなプレーになりがち。個の力で打開しきれないなら、周囲を活かすプレーに切り替える必要がある。

野上:無難にプレー。ある程度押し込んだ展開だったので、攻撃面で貢献が欲しかった。

三國:チアゴ相手にフィジカルコンタクトで勝てず、ポストプレーを許してしまった。外国人選手にフィジカル面でも勝てるよう、今後の成長に期待。相手DFライン裏を狙うパスは効果的だった。得点につながるヘッドの打点も高かった。

河面:外国人選手相手にもしっかりファイトした。ビルドアップのパスは良いパスもあったが、カットされるシーンもあったのでここは改善したい。危険なポジションでの危険なプレーは排除を。

ランゲラック:1失点目のきっかけを作ってしまった。相手選手が前からプレッシャーをかけた場合は、素直にロングキックで問題ない。

パトリック:空中戦で強みは発揮した。

椎橋:浦和DFを崩すきっかけとなるプレーが期待されたが、チャンスの芽は作れなかった。ボールスピードの速いロングパスをやはり習得したい。

内田:こちらも、しっかりと守ったが、攻撃でも違いを作ってほしかった。やはり一つ武器が欲しい。

榊原:初のJ1出場か。試合には溶け込めたが、違いを作るには至らず。じっくりと地力をつけて成長してほしい。

しっかりと守り、スキを逃さなかった浦和。1枚上手だった

試合間隔が短い浦和は体力面の不安もあり、おそらく抑え気味の試合展開でした。

堅く守り、手早く攻める。名古屋が目指すべきサッカーを浦和に実行され、敗れた印象です。

ハチャンレ不在で、チアゴについた三國がチアゴのポストプレーを許したことで、名古屋に主導権を握られることを防ぎました。

また、浦和ゴール前の守備がとにかく固く、流れの中でチャンスは作りましたが、決定的と言えるシーンは実はほとんどなかったと思います。

地力で勝る浦和が順当に勝利した、そんな試合でした。

自ら崩した守備のバランス。守ってから攻撃、の優先順位をまた忘れるのか?

コンディション的に厳しいであろう浦和に対し、前からプレッシャーをかけ攻めるというプラン、相手DF裏を狙う作戦も良かったと感じます。

チアゴには苦戦しましたが、ボールを奪う守備もある程度できていた印象です。

それだけに、守備の乱れからの失点で負けたことはとても残念な結果でした。

これまで何度も書いてきましたが、勝つために最優先すべきは守備です。攻撃はその次です。

また、パスの精度、特に止まった状態でパスを出してダッシュするプレーの際の、パスの精度が全選手軒並み低すぎます。無駄にバウンドさせる、スピードが適切でない。特に近い距離や密集した状態の場合は受け手によるリカバーにも限界があります。

パスサッカーを目指すには、パスの精度が低すぎます。また、ロングフィードやロングパス、サイドチェンジも一部の選手以外、そのレベルがまだまだ低すぎですし、そもそも蹴れる選手が少なすぎます。

散々パスについては厳しく書いていますが、それはパス(キック)は徹底的に反復練習をすれば確実に上達するからです。

それ以外の、ドリブルや状況判断などは、上達させるのに時間がかかる、あるいは才能面も大きく影響しかなり難しいからです。

守備を最優先し、再び勝ち点を重ねるか、無理やり攻撃を重視して昨年のように負けを重ねるか、どちらを選ぶかでチームの将来が決まる分水嶺の時だと感じます。

そして、今年は負け続ければ降格の可能性がある状態でもあります。

賢明な判断を下すことを期待します。

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